NY在住の日本人3人が見た、ロックダウンの街で起きていること

 

数字上では、圧倒的にアメリカ、特にニューヨークが群を抜いて感染被害が多く心配だとは思います。確かに、ニューヨークの街の雰囲気は一気に変わりました。レストランもカフェもどこもかしこも休業です。ですが、必要な物資は買えています。デリバリーもできます。外出禁止だからといって、全体がパニックになっているわけではありません。

制限の中で、みんな、必死に生活しています。物資などを提供するボランティアの方々や、身を危険にさらして治療に全力を注ぐ医療関係者。たくさんの人が最善を尽くして協力し合う姿をメディアを通して、また、実際にこの目で見てきました。そんな方々がいるから、こんな時だからこそ自分に何が出来るのかを強く意識できるようになりました。

そんな中、日本にいる人のSNS投稿を見ていると、お花見や旅行、飲み会やら、人混みが多いところへ行き、普段と変わらない行動をしていて驚いてしまうのが本音です。

これは決して、「私たちがこんなに不自由な目にあっているのに、なんで日本のみんなは楽しそうに遊んでるの?!」という僻み妬みではありません。私自身、家に引きこもる生活を苦に感じないため、外で遊べないからイライラするという思いにはなりません。数年前だと「私も外出したい!」と思っていたかもしれませんが(笑)。

もちろん、彼らの中には自宅待機を呼びかける人たちもいます。それでも外に出て大人数の集まるところに行ってしまう人たちにとっては、「大げさだな」とか「別に自分は感染しないから大丈夫」と思っているのではないでしょうか。

「ウイルス」という目に見えないものを、自分ゴトにするのは難しいことかもしれません。ですが、自分が感染したことを想定してみてください。まず、同居している人に感染する恐れ、それに伴う大きな代償が生じます。自分の大切な人を日々不安に追いやってしまうのです。そして、自分が通っている学校や職場が閉鎖されてしまいます。そして、自分自身が病に苦しむだけでなく、不安と恐怖に直面することになるのです。

世界各国で、感染者が自ら動画を上げ、現状や呼びかけなどを訴えているものがSNSでシェアされています。呼吸器をつけ、みな口々に、「自分は大丈夫」と心のどこかに思っていた、と言っています。彼らの勇気あるメッセージを受け、自分は何ができるのか、ここから何を学ぶかが大切な事ではないでしょうか。

アメリカも日本もこれからなのです。中国では収束してきたとの報道がありますが、新型コロナウイルスは世界的に広まっています。どうか不安を煽った情報に翻弄される事なく、冷静に現実を受け止め、自分には何ができるかを今一度考えてみてください。今だからこそできることや新しい発見の探求、そしてお互いが思いやる心をもっていれば乗り越えることができると信じています。

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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