北朝鮮大使を追放する意外な国々
「北朝鮮核問題」は、つい最近まで「東アジア限定の問題」と思われていました。なぜか? たとえば欧州や南米の人にとっては、「遠すぎる」ので、実感がわかないのです。普通の日本人は、「ウクライナ問題」「シリア問題」に興味ないでしょう? それと同じです。
ところが、このところ急に、世界の意識が変わってきました。たとえば北は8月29日、北海道上空を超える弾道ミサイルを発射した。その日、私はベラルーシの知人から、「日本の安全を祈る」というメールをいただきました。それで、「嗚呼、ベラルーシの人も、北朝鮮問題の行方を心配しているのだな」と少し驚いた。なぜ驚いたかというと、「ベラルーシは、東アジアから遠いから」。
そして、最近は、こんなニュースもあります。
北朝鮮大使を国外追放へ=核ミサイル「日韓に脅威」─メキシコ
9/8(金)6:53配信
【サンパウロ時事】メキシコ政府は7日、北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として72時間以内に国外追放すると発表した。北朝鮮の核・ミサイル開発活動を理由にしている。核・ミサイル開発など北朝鮮の挑発をめぐり北朝鮮大使が追放されるのは極めて異例。
メキシコが北朝鮮大使を追放した。さらに、こちらをごらんください。
国外追放は「火に油」=北朝鮮大使、ペルーを非難
9/13(水)10:36配信
【リマ時事】北朝鮮の核・ミサイル開発を理由にペルー政府から国外退去を命じられたキム・ハクチョル北朝鮮大使は12日、首都リマの大使館前で声明を読み上げ、「ペルー政府の措置は法的、倫理的根拠に欠け、国際安全保障のためになるどころか、かえって火に油を注ぐものだ。抗議するとともに遺憾の意を表す」と非難した。これに対し、ペルーのルナ外相は記者団に「北朝鮮と関係を維持するのは不適切だ。関係は絶たないものの、外交レベルを下げる」と反論した。
メキシコとペルーが北朝鮮大使を追放した。これは、とても重要な事件です。アメリカ大陸に位置するメキシコとペルー。両国にとって、北朝鮮は全然脅威ではないでしょう? 北に対してなんのアクションを起こさなくても、誰も批判しないはずです。しかし、メキシコとペルーは、北朝鮮大使を追放することにした。「北朝鮮と付き合うことは悪いことで、損をすることだ」と判断したのでしょう。