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299円弁当で銀座の民を熱狂させた格安スーパー「オーケー」。SNS上では「もしも増税メガネの視察先がオーケーだったら…」との妄想も

首都圏を中心に展開するディスカウントスーパーの「オーケー」が、17日に東京・銀座にオープンしたことが、大きな話題となっているようだ。

注目度が高い立地に出店することで、買い物客や仕事帰りの人など、新たな顧客獲得につなげたいという狙いがあるという今回の銀座出店。

同店でも、他店舗と同様に299円(税別)の弁当も用意され、訪れた客は「銀座かいわいでこんな金額の弁当絶対ないので興奮気味です」と語っていたという。

庶民派チェーンだらけの銀座に「隔世の感」

関東地方においては抜群の知名度を誇るいっぽうで、近年では関西地盤の「関西スーパーマーケット」の買収を巡って、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)との激しい争奪戦を繰り広げたことも記憶に新しいオーケー。

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ちなみに、最終的には関西スーパーの買収を断念するに至ったオーケーだが、今後は独自で関西に自社店舗を開設する方針とのことで、2024年11月には大阪府東大阪市に関西一号店を出店する予定だということだ。

そんなオーケーといえば、徹底したEDLP(Everyday Low Price)戦略により、特売はしないものの、生鮮品から日用品に至るまで“毎日がお買い得”といった低価格を日々実現しており、その安さゆえに時には「デフレを誘因」との批判を受けることもあるほど。休日ともなれば、近隣の家庭が買い出しに向かい、店舗周辺の道路は駐車場の空き待ちのクルマが列をなす、いわゆる“オーケー渋滞”が発生するのも、もはや風物詩といったところだ。

このように良いように言えば“庶民の味方”、口が悪い向きからは“貧乏人御用達”などとも呼ばれるオーケーなのだが、それがヴィトンやシャネル、エルメスといったハイブランドが軒を並べる、日本有数の高級商業地である銀座に出店することに対して、果たして受け入れられるのかといった見方も、事前には少なからずあがっていたよう。

しかしながら、実際にオープンしてみると店の外には行列をなし、店内は買い物客で大混雑。注目を集めた299円弁当も、近隣に勤めるサラリーマンなどによって買われ、早々に売り切れてしまうなど、まさに熱狂的支持をもって受け入れられる格好となったようだ。

ちなみに、今回オーケーの銀座店が出店した「マロニエゲート銀座」だが、もともとは“OLファッションの聖地”と呼ばれた百貨店「プランタン銀座」があったところ。ところが今ではオーケーの他に「ユニクロ」「ジーユー」「ダイソー」といった、庶民派チェーンが多く入居しているとのことで、SNS上からは「まさに隔世の感」「日本がどんどん底無しの貧乏になっていくようで怖い」といった声もあがっているようだ。

今更すぎるスーパー視察で批判殺到の岸田首相

このように、長らく苦境が続く日本の経済状況を象徴するような出来事……といった捉え方をする向きも多いオーケーの銀座出店なのだが、いっぽうで一部からあがっているのが「岸田首相の視察先がオーケーじゃなくて良かった」との声だ。

今月16日に東京・江東区内のスーパーを視察した岸田首相。野菜や肉のコーナーを見て「確かに高くなっている」と呟いたそうなのだが、SNS上からは「今更すぎる」と物価高が取沙汰されて久しいなかでの遅すぎる視察への批判、さらには「絶対前の値段なんて知らんやろ」といった揶揄も多く飛び交うことになった。

ちなみに今回視察したというスーパーは、どうやら「イトーヨーカドー」だったようなのだが、これが仮に首相の側近がオーケーに連れていってしまった日には、店に並ぶ商品の値札を見て「なんだ安いじゃないか!」「弁当安すぎー。物価高なんてデマですね」となり、挙句の果てには「もうちょい増税いけるやん」という流れになっていた恐れがあったのでは、というのだ。

今ごろ白々しくスーパーへの視察を行い、庶民生活に寄り添うアピールをしているような岸田首相なら、そんな“誤解”もまさかのまさかであり得るかも……といった、この「オーケーじゃなくて良かった」論なのだが、もっとも逆に、世界でも有数の高級商業地だったはずの銀座にディスカウントスーパーができ、そこの激安299円弁当に国民が我先に群がる様子を、ぜひ岸田首相に見て欲しかった……といった気もしてくるところだ。

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