子育てしながらキャリアアップできる環境を日本は整えなければならない
『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.147より一部抜粋
考えてみたら、私が一緒に仕事をしているのは全部女性である。全く意識したことはなかった。ビジネスパートナーであるAPECビジネスカウンセルのトップになったフィリピン財閥のオーナーは女性。アドバイザーをしているNY上場のアメリカのベンチャーの創業者も女性。一緒に日本の幼児教育を変えようと言っている、アジア最大のインターナショナルプレスクールのオーナーも女性。
そして今日、先ほど面談を終え、私がシニアフェローとなることが決まった某巨大シンクタンクのアジア代表も女性。久しぶりに再会した彼女のお腹が大きくなっているので聞いてみると、妊娠7カ月で双子(男の子と女の子)だという。そう。彼女たちは皆、素晴らしいお母さんでもあるのだ。彼女たちは子供も家庭も普通にビジネスと両立させて、かなりのグローバルに事業展開をして今の責任ある地位を築き、たくさんの雇用を守り育てている。「キャリアも子供も」であり、事業拡大しながらまた妊娠したりしているのだ。
考えてみれば、なぜ彼女たちのような女性起業家ばかりと縁があるのだろう? 誤解を恐れずいえば、やはり楽しいからではないか。まあ私の母も祖母も商売人で、小さいころから女性が事業を仕切るのを当たり前のように見ていたこともあるだろう。創業者なので男性的な部分もあるが、基本的に自分にないものを持っていたり、付き合うことによって自分が向上できそうなセンスがあるからだろう。彼女たちが優れていると思われるのは、慎重さ、観察力、忍耐力。エネルギーはあるが、アップダウンが激しくなく、常に感情が一定である感じも心地よい。まあ家庭や組織内では、実はいろいろあるだろうが。子育てもしているので、そういう能力が磨かれたのだと思う。
安倍政権の女性の社会進出の支援は素晴らしいが、「子育てしながらキャリアアップできる環境」を、日本は口だけでなく本当にそうなるように整備すべきだろう。家事支援がもっと簡単に受けられ、優れた幼児教育にふんだんにアクセスできるようにすべきではないか。
今日も双子の子供が入っているお腹をさすりながら、「この子たちは故郷の西海岸で生むわ。その前にコータローと東京に行って仕事をしないとね」と陽気に笑うネバダ州生まれの彼女と盛り上がった。そのシンクタンクの仕事で予定日のひと月前に一緒に東京に行くことになる。
「女性の活躍する社会を」って私には当たり前すぎてぴんとこなかった理由がよくわかった。
『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.147より一部抜粋
著者/田村耕太郎(前参議院議員)
第一次安倍政権で内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権担当)をつとめる。エール大、ハーバード大、ランド研究所にて研究員の経験あり。早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。
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