あまり雪の降らない地域に住んでいると、とかく雪への対策がおろそかになりがち。とくに日頃クルマをよく運転される方のなかで、夏用タイヤで大雪に降られてしまい、立ち往生してしまった経験のある方は、多いのではないだろうか。
そこで今回は、自動車学校の現役教習指導員が配信するメルマガ『運転が好きになる成長のメールマガジン』より、“ノーマルタイヤで雪道を乗り切るためのコツ5つ”をご紹介しよう。
ノーマルタイヤで雪道を乗り切るためのコツ5つ
(1)なるべく大きな幹線道路を選ぶ
大きな道路は交通量が多いので路面に雪が積もりにくいですし、除雪車が走る可能性が高いです。
その反面、脇道や抜け道といった細い道は、交通量が少ない上に日光も当たりにくいので雪が路面に残りやすいのです。
あと怖いのは橋の上やトンネルの出口。
特に橋は、その特性から凍結しやすい場所ナンバーワンです。
できることなら橋を通過することは避けましょう。
(2)わだちをトレースする
わだちとは、他のクルマが通過したタイヤの跡のことです。
積雪が少ないうちは、わだちの部分だけ雪がない状態ですから、そこを電車のレールのようになぞっていきましょう。
(3)アクセル・ブレーキ・ハンドル操作は、デリケートに
『滑る!』ということを念頭に置いて、それぞれの操作は羽毛のようなデリケートさで。
4WDを選べるクルマは、迷わず4WDにします。
ただし、ブレーキ性能はどのクルマでも同じで4つの車輪にブレーキが効きますので、下手にシフトダウンをしてエンジンブレーキを急激に掛けるよりも、そ~っとブレーキペダルを踏む方がベター。
(4)上り坂では停止しないようにコントロールを
雪道の上り坂で一旦クルマを止まらせてしまうと、再発進ができなくなる可能性があるので、停止しないように速度を調整するのです。
例えば、上り坂で前方が赤信号の時は、停止線手前で最徐行して青信号になるまで止まらないように時間稼ぎをします。
ただし、『感知式信号』の場合は、停止線直前までクルマを進めないとセンサーに感知されませんのでご注意を。
(5)タイヤの空気を抜く
これはとっておきの手段としてお伝えしますが、タイヤの空気圧を低くすることで、摩擦力の低い道路の走破性が上がります。
タイヤの空気を抜くのは、タイヤが明らかにたわむぐらいまでにしましょう(完全にゼロにしてはいけません、タイヤが傷みます)。
その後雪道を乗り切ったら、ソク空気を補充し空気圧を元通りにしてください。
ABS付きのクルマでもタイヤがロック可能性も
これはノーマルタイヤに限らず言えることですが、もしその場でタイヤが空転してしまったら、バックをして進路をずらしてみるか、駆動輪(動くタイヤ)の下に毛布や板切れを差し込んでみましょう。
そしてここが重要なポイントですが、ブレーキを掛けても滑っていくとき、より強くブレーキを踏んだりサイドブレーキを掛けたりしても意味がありません。
それどころか逆効果です。
ブレーキを踏んでも止まらければ、その恐怖心からブレーキを緩める方向には持って行きにくいのですが、ブレーキを掛けても滑っているということは、タイヤがロック(回転が停止)しているわけです。
ABSが付いているクルマならロックしないと思われるかもしれませんが、そうではありません。
というのは、昨年これでヒヤッとしたことがあって、途中まではABSが作動して車体がまっすぐ安定していたのですが、停止直前にタイヤがロックして急に車体が斜めになったことがありました。
これは、最後の停止時にはABSを解除しないといつまでも停止できないわけですから、最後の最後にはタイヤがロックするという理屈です。
このことから、最近のクルマのほとんどであるABSつきのクルマは、停止寸前にタイヤのグリップを失って滑る可能性があるので、最後まで気を抜かないようご注意を。
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