チョコベジは子供の感性をダメにする
森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング 第84号(2014年12月27日号)
明治チョコレートと野菜ソムリエが展開している野菜にチョコレートをトッピングして野菜嫌いを克服しようとする愚行。
不味い野菜を普段たべさせておいて、野菜が嫌いだからチョコレートに包めばいいというのは、言うまでもありませんが問題解決にはならず、単なる栄養補給の手段のひとつでしかありません。
子どもを不感症にするだけです。森の診療所的に言う不感症とは、美味しいかマズイかだけ。喜怒哀楽の喜怒しかないようなものです。
葉野菜をたべることが出来れば成長・健康状態の維持には問題ないのですが……。これがなかなかハードルが高い。
この時期「寒じめほうれん草」を子供たちにぜひとも食べさせていただきたいです。ほうれん草は冬が旬です。その旬のほうれん草をさらに低温の環境に置き、生きのびるために野菜内部に栄養素や植物化合物を蓄える性質をいかした栽培技術を寒じめ栽培といいます。
通常の栽培のほうれん草より、糖度、うま味、雑味が強く、えぐみや苦味が少なくなるのが特徴です。
あらかじめハウス栽培を行い、ある程度生育したらハウスを開放し外気をあてます。そうするとほうれん草は葉を縮めて葉を地面につけるようにロゼット状になります。表面が凍ってしまったかのように見えてもしっかり生存し、柔らかく味の濃縮した美味しいほうれん草に出来上がります。
しかし、寒さにあてなくても縮れた葉を持つほうれん草が品種改良ででまわり、外見からだけでは味が不明となってしまいました。愚かな品種改良です。
寒じめ・縮みという訳のわからないタイトル。縮みの品種で、しかも寒じめ栽培技術か?とおもいきや、埼玉県産ですから寒じめほうれん草技術の定義である「地温マイナス」にはなっていないはずです。
食べてみればすぐ違いは解りますけれど。まず1月から2月上旬の岩手県産の寒じめほうれん草ならまず間違いありません。
子どもは一度食べられる野菜を見つけると嬉しくて別の野菜にもチャレンジしてくれると思いますよ。
葉酸はホモシステイン代謝に重要。うつ病や骨粗鬆症、心疾患などにも影響します。ビタミンKは骨のビタミン。抗酸化物質はさまざまな疾病予防に。遺伝子のエラーは子供のころから起こっていますからエラー補修のためにも葉野菜、特にほうれん草を食べさせたいものです。
それからもうひとつ大事な点。寒じめ技術により蓚酸が減少します。つまり身体にはあまり入れたくない成分が減るということ。これが先ほどの味チャート図でのえぐみの部分です。
岩手の寒じめほうれん草を見つけて召し上がってくださいね。