署名された共同声明に何の具体性もなく、「北朝鮮の勝利」との報道も目立つ米朝首脳会談。しかし、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは「トランプ大勝利」と言って憚りません。その論拠はどこにあるのでしょうか。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』に、そう判断するに至った理由を記しています。
なぜ米朝会談は、【トランプ大勝利】なのか???
米朝首脳会談について、ダイヤモンドオンラインさんに記事を書きました。
この記事で私は、「米朝首脳会談大成功」と書いたのです。そしたら、たくさんの読者さんからメールが届きました。多くの内容は、「北野さん、皆『大失敗』だったといってますよ。成功したという北野さんは、『超少数派』です!」というもの。
私はしばらく、「まあ、失敗したか、成功したかなんて、ある面『主観的問題』だしな」と思い、コメントしないでいました。
「主観的」とは、どういうことでしょうか? この件については、「客観的」つまり「事実」があります。トランプと金が、12日にシンガポールであった。共同声明に署名した。そこには、4つの項目が記されていた。これらは、「客観的事実」です。
一方、これらの事実を、「どう解釈するか」は、「主観的問題」です。実際、トランプや金は、「大成功だった」といい、世界の多くのマスコミは、「大失敗だった」といっている。もちろん「大失敗だった」というには、それなりの根拠がある。それでも「解釈」なので、「主観的」なのです。
というわけで、私は「解釈は人それぞれでいい」と思い、しばらく無視していました。ところが、あまりにもたくさんメールが届くので、一応コメントすることにしました。