5月31日、森友学園に関連する文書改ざん問題で刑事告発されていた佐川宣寿氏らを不起訴処分とした大阪地検特捜部。この判断を巡っては市民団体が大阪の検察審査会に審査申し立てを行うなど批判が相次いでいますが、「不起訴の裏に、とある法務官僚の影がある」とするのは、元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』にその官僚の実名を記すとともに、安倍官邸が不起訴処分を勝ち取るために利用したカラクリを暴露しています。
検察も安倍官邸を忖度したのか
世界が半信半疑で注目するなか、日本のテレビメディアはシンガポールで繰り広げられた歴史的外交ショーをお祭り騒ぎで中継しはじめた。
北朝鮮の無慈悲な独裁者とアメリカの無分別な大統領が、一夜にして、世界平和への貢献者になったかのようだった。
だが、具体性に欠ける合意文書の内容がわかると、一気にトーンダウン。その変わりようの凄まじいこと。
世界は「不思議」に満ちている。心配性の筆者には、「宴のあと」に日本に残されるものが気になって仕方がない。
「拉致問題」の解決は積み残しにされ、日本に向けられたミサイルの「脅威」は拭い去れないまま、北朝鮮への経済援助だけは押し付けられるかもしれない。
表面上、いくらトランプ大統領が安倍首相と仲良く見せかけても、金正恩委員長とのたった一日の「宴」の成功だけが目的化したなかでは、他国の利益などおかまいなしだ。
新潟県知事選の勝利で総裁選への自信を深める安倍首相は、トランプ大統領の橋渡しで日朝首脳会談を開き、拉致問題解決につなげて政権浮揚をはかりたいところだった。
トランプ頼みとはいえ、それができれば、拉致被害者解放への糸口となる期待は持てる。
だが、たとえ安倍首相が外交面で国民のために何らかの働きをするとしても、猿芝居で国民を騙し続け、その責任をいっさい負わないですませようとする政治の闇は、いっこうに晴れそうな気配がない。
フェアであること、説明を尽くすこと。そうした基本的な資質を欠く総理大臣が、「明治150年」の大日本幻想を追っているのだ。
背任等で告発された佐川宣寿氏ら財務省職員39人について、大阪地検特捜部が不起訴とした裏にも、安倍官邸の策謀が働いていたことが、法務省人事から浮かび上がっている。