日本人の誰もが信じているであろう、「地球温暖化」による環境破壊。しかし、世界的にここまで「温暖化対策」に力を入れているのは日本だけだと指摘するのは、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授の武田先生。この「洗脳」にも近い認識について、武田教授は自身のメルマガで、この認識を今すぐにでも改め「温暖化対策をやめれば消費税を廃止できる」との持論を展開しています。
世界の温暖化対策は日本だけが真面目に取り組んでいるという事実
温暖化の国際会議、つまり1997年の京都会議以来、日本は世界に先駆けて温暖化対策をしてきました。簡単に言うと京都議定書で定められた「温暖化対策」をほぼそのまま実施したのは世界で日本だけ。アメリカは最初に離脱、カナダも後に離脱、ヨーロッパは共産圏の排出(マイナス30%程度)を組み込み実質ゼロ、中国やインドは参加せず、でしたから日本だけが「割を食った」ということになりました。
日本に住み、NHKや朝日新聞の報道を見ていると「温暖化の被害がすごいから、温暖化を阻止したほうが良い」という考えになりますが、諸外国では「温暖化の被害がでるのはずっと先の話だから、それまでに温暖化ガス(二酸化炭素)を使って、他の国より早く経済発展をしておこう」という考えです。
「地球は温暖化するのか」というのは非常にむつかしい問題で、世界の学者でも統一した見解はありません。しかし、いつごろから問題になってくるのか、とか、地域や地形によってどこに影響が強く表れるのかといったことは見解が一致しています。
まず第一に「時期」の問題ですが、温暖化が問題になった1988年には「30年後」に温暖化が顕著になり被害が出ると言っていましたが、それから30年後の2018年(今年)までに明確な温度変化も被害もないので、100年後」に変更しました(「今世紀末までに」という表現)。なにしろ「石油があと40年」と言われ、温暖化ガスの主要な排出原因が石油ですから、もともと全体像がゆがんでいます。
第二に「地域や地形」ですが、温暖化が進んでいるのは北半球で、最初に温度が上がるのは内陸部です。ここ100年の気温の変化を見ますと北半球の方が顕著で、オーストラリアなどの南半球の気温はほとんど変化がありません。このことについては「北半球で温暖化ガスの排出が多く、気流が北と南で交換しないから」という説明と、100年前から気温を測定している場所が主として都会なのでヒートアイランド現象を反映しているという説明があります。
「地形」については次のように考えられています。
温暖化ガスによる気温の上昇は、太陽の光が大気中を通過するときに温暖化ガスが太陽の熱を吸収して「空気を温めます」。空気の温度が上がると、地球の表面の3分の2が海洋ですので、海の水に熱が伝わり少し気温が下がるのです。海水浴で夕方にもなると海の方からすがすがしい風が吹いてくるのが、海の水で冷やされた風です。
でも、空気と水では「熱を抱く力」が3000倍違うので、空気の熱で海を温めることはかなり無理があるのです。このことは中学校で「海洋性気候、内陸性気候」で学びますが、海に囲まれている地域は温度の変化が少ないし、内陸は昼と夜で大きく気温が変わるのです。それと同じで、温暖化ガスで空気の温度が上がるとしても海の水温は上がらないので、内陸性気候の中国、アメリカなどは気温が上がりますが、日本のような島国は気温が上がるにしてもずっと遅れます。私の計算では30年ほどのズレがあるようです。