日本は未だ「真の独立国」ではない。武田教授が憂う屈辱的な条約

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世界の大国と肩を並べる経済力を持ち、2000年という長い歴史を持つ国、日本。しかし、この我が国は未だ「真の独立国ではない」と語るのが、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授の武田先生。この「非独立国」である理由について武田教授は、自身のメルマガの中で「3つの原因」を挙げ、真に独立するための条件についても持論を展開しています。

日本が真の独立国ではない3つの理由

憲法改正の議論より、私なら最初に「日本は独立しているのか、どうしたら独立できるのか」を議論したいと思います。というのは、私たちはすでに日本人の誇りを失っていますが、せめて子供たちの時代には誇りある日本として「独立した日本にしたいと思っています。

日本が独立していないのは、次の3つが原因しています。

  1. 国民を守ることができない
  2. 他国の軍隊が駐留している
  3. 不平等条約が存在している

です。

第一の点は、横田めぐみさん等の拉致被害者の存在でわかります。今度、米朝首脳会議が行われるということで、北朝鮮に抑留されていたアメリカ人の3人が解放されました。4月になってアメリカの報道官はマスメディアの質問に答えて、「外国にとらわれている国民を取り返すのは当然だ」と言い、武力行使にも言及していました。

簡単に言えば「わが国民を返さなければ軍事力を使って取り返すぞ」と言っているのです。国にはいろいろな事情がありますし、北朝鮮に抑留されているアメリカ人にそれ相応の問題があったかも知れませんが、事情がなんであれ、そんなことは議論せずに「とにかく取り返す」というのが「独立国」なのです。

独立国」のもっとも大切なことは「国民を守る」ということで、たとえ北朝鮮で悪いことをしたとしても、アメリカ人である限り、アメリカに取り戻し、もし裁判を受けさせる必要があればそれからというのが独立国なのです。

そして、報道官は北朝鮮の悪口は言いませんでした。国際的関係というのは他国は他国の利害ですから、それを云々するのではなく、自分の主張だけをハッキリ述べるのが原則です。日本のように要求をハッキリ言わずに相手国を非難するのがもっとも稚拙なやり方と言えるでしょう。

つまり、拉致被害者が拉致されている最中にはなにもそれを防ぐ手段を取らずメディアも拉致を知っているのに報道せず、その後も要求を述べずに悪口ばかり言っているというのが最悪です。

自衛隊が「防衛のみ」であることはそれほど問題ではありませんが、その防衛には「自らの国土から拉致された国民を取り返すこと」は当然、任務の中に入っています。だから、現在の憲法下で最高裁判所が憲法の番人としてあるのにも関わらず、自衛隊が60年にわたって存在するということは、自衛隊は違憲ではないということですから、その任務をはっきりさせれば独立の第一要件をクリアすることができます。

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