一時は森友学園の教育方針に心酔していたはずの安倍首相が、大阪地検に逮捕、起訴された籠池泰典氏をまだ裁判すら行われていないのに「詐欺をはたらく人物」と決めつけてしまったのも、昭恵夫人の責任を回避するためのご都合主義だ。
今井氏の発言パターンは安倍首相そっくりである。
「役人が決裁文書を変えることはあってはならないことです。…財務本省と近畿財務局にはしっかりと説明してほしい」
政府の不祥事なのに、他人事のように原則論を言って身をかわすのだ。首相の発言を裏でコントロールしているのだから、似ていても当然といえば当然かもしれない。それにしても、よく、しゃあしゃあと言えるものだ。
モリカケ、自衛隊日報、裁量労働制のデータなどで露呈した安倍政権の隠蔽、欺瞞体質、官僚を萎縮させる恣意的人事政策…果てることなく膿が流れ出て国民は倦んでいるはずなのに、政権はまだもちこたえている。
その背景にあるのは、反知性と欺瞞だ。真実を語らず、問題を先送りし、時間稼ぎをする。その間に米国軍需産業や日本の経済界が喜びそうな政策を強引に進める。
ウソは最後まで徹底してつき通せ。安倍首相とその周辺の長い寡頭支配は、歪んだ成功法則を生み出したのだ。
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