一時期、「朝鮮半島の非核化に成功ならトランプ大統領にノーベル平和賞を」などという声もありましたが、非核化どころか会談開催自体に赤信号が灯りました。24日夜、トランプ大統領は北朝鮮に米朝首脳会談の中止を通告した書簡を公表。ここまで来て、なぜ両国は態度を硬化させたのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、その理由を探っています。
トランプ、米朝首脳会談【中止】を通告
皆さんご存知と思いますが、北朝鮮は5月16日、米朝首脳会談を中止する意向を示しました。
北朝鮮、米朝首脳会談の中止を警告 一方的な核放棄要求に反発
BBC NEWS 5/16(水)15:22配信
北朝鮮は16日、米国が一方的な核兵器の放棄を要求し続けるなら、来月12日に予定されている米朝首脳会談を中止する意向だと明らかにした。
理由は、ネオコン大統領補佐官ボルトンさんが、「北朝鮮はリビア方式でいく」と発言したこと。リビアのカダフィ大佐は03年、核開発を放棄した。それで、制裁もテロ支援国家指定も解除されましたが、8年後に殺されています。
そして、今度はトランプさんが、米朝会談延期の可能性に言及しました。
米朝首脳会談、延期の可能性も トランプ氏が言明
5/23(水)2:19配信
【AFP=時事】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長との初の首脳会談を延期する可能性に言及した。
理由についてですが、トランプさんは、「習近平のせいだ」と考えているようです。
トランプ氏、中国主席の駆け引き上手を評価 北朝鮮の態度硬化で
BBC NEWS 5/23(水))0:50配信
ドナルド・トランプ米大統領は22日、米朝首脳会談が、予定通りに実現しない「相当の可能性」があると述べた。さらに、中国の習近平・国家主席の何かしらの働きかけが北朝鮮の態度硬化に影響しているのではないかとの見方を示した。
トランプさんによると、金は2回目の訪中後、態度が激変したそうです。
そして24日夜、米国は米朝首脳会談中止を通告する書簡を公表しました。
Sadly, I was forced to cancel the Summit Meeting in Singapore with Kim Jong Un. pic.twitter.com/rLwXxBxFKx
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年5月24日