加計関係者との面会を認めた柳瀬元秘書官がまだ隠していること

 

10日に行われた衆院予算委員会での参考人招致で、これまでの説明とは一転、加計学園関係者との面会を認めた柳瀬元総理大臣秘書官。しかしながら取り沙汰されている愛媛県や今治市の職員との接触や「首相案件発言」は改めて否定しました。元全国紙社会部記者の新 恭さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、かような詭弁が通用するはずもないと切り捨てた上で、柳瀬元秘書官に嘘をつかせたと思しき人物の実名を記すとともに、愛媛県や今治市サイドとの接触を認めない限り、政権に対する国民の不信感が払拭されることはないと結んでいます。

「調整」でウソを白状した柳瀬元秘書官

奇妙なこともあるものだ。「調整をすれば記憶が戻るらしい

柳瀬元総理大臣秘書官は3年前に、加計学園の関係者と総理大臣官邸で面会したことを国会で認める方向で調整していることがわかりました。(5月2日NHKニュース)

「記憶にない」と逃げ口上を繰り返してきた経済産業審議官、柳瀬唯夫氏が、「調整」のすえ、参考人招致された10日の国会で、加計学園関係者と面会したことを認めた

「総理と一緒の時に加計学園の方と知り合い、学園事務局から連絡があったのでお会いした。獣医学専門家の元東大教授と学園事務局の方がほとんど話をされ、他に10人くらい同席者がおられたが、その方々が愛媛県今治市の職員とは知らなかった。名刺を交換したかもしれないが、残っていない」

元東大教授というのは加計学園岡山理科大の獣医学部長吉川泰弘氏のことである。柳瀬氏によれば、吉川氏が獣医学部の必要性について滔々と熱弁をふるっていた。

なぜ今になって、このように述べたのか。以下の記事のように、与党の判断があったからだという。

加計学園問題を巡っては、愛媛県側作成の文書に平成27年4月2日の柳瀬首相秘書官(当時)との面会記録が記され、「首相案件」との発言が残されていた。文部科学省、農林水産省からも面会に関する記録が見つかった。こうした経緯から、与党側は否定するのは困難との判断に傾いた。(5月2日東京新聞夕刊)

どうやら、事実よりも、「調整判断」が重要らしい。

柳瀬氏はどんな心境で過ごしてきたのだろうか。このところ連日のように、経産省の廊下で記者たちの質問攻めにあう姿がテレビで放映された。「国会で話したい」と鉄壁のガードで室内に消える姿には、どことなく哀感が漂っているようにも見えた。

柳瀬氏にしてみれば、何も好き好んで、会ったものを会っていないと言ってきたわけではない。あくまで、安倍首相を「権力の私物化批判から守るためだ。

長年の親友である加計孝太郎氏の獣医学部新設の夢をかなえたいという首相に、秘書官として誠心誠意仕えたというのが柳瀬氏の思いだろう。

加計学園を特別扱いしたのは安倍首相のためであり、愛媛県、今治市、加計学園の関係者と会って打ち合わせた事実を隠そうとしたのも安倍首相のためである。

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