台湾・台中市にある道教の寺院がイベント向けに作ったビールのデザイン缶に、「旧日本軍の絵が描かれている」と台湾の親中派の議員がFacebookなどで書き込み騒動になりました。しかし、台湾メディアによると真相は全く異なっていたようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、親中派の議員をはじめ、この話を鵜呑みにして日本と台湾の仲を離間させようとした中国メディアを厳しく批判しています。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年5月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
【台湾】些細なことで日台離間を仕掛ける中国の姑息
● 台湾ビール缶に旧日本軍のイラスト、「台湾ネットユーザーが反発」と中国メディア
台湾ビールの限定パッケージが、中国統一派の標的にされたようです。台湾ビールから発売されている「金牌」というブランドが発売した、期間限定パッケージに描かれているイラストが問題視されました。発端は、中国統一派によるFacebookへの投稿です。以下、記事を引用します。
あるネットユーザーが22日、フェイスブック上で『台湾ビールの新しい包装に、媽祖(※編集部註:中国沿海部を中心に信仰を集める道教の女神)と旧日本軍のイラストが描かれている。媽祖に対する著しい侮辱であり、これは植民地時代の記念なのか、それとも植民地時代に戻りたいのか』とし、イラストが描かれた缶パッケージの写真を紹介するとともに、拡散を求めたことを伝えた。
このことを最初に報道したのは中国系メディア「環球網」でした。ここでは上記のような内容のほかに、台湾は蔡英文総統を筆頭に媚日に懸命になっているのはおかしいと、台湾を糾弾しているような内容になっています。以下、一部を引用します。
不过,“媚日”的话题在岛内一直备受争议,网友曝光的台啤最新包装只是其中个例,这样的事情在台湾并不少见。
媚日の話題は台湾で議論になり続けており、今回の問題もほんの一例に過ぎない。
早先,台湾军方防空部队在屏东实施阅兵仪式自主训练时,被曝直接用上了日军军歌,经官兵反映后,才赶紧更换为台湾军乐。
先日は台湾の防空部隊が屏東で実施した閲兵式の自主訓練で日本の軍歌が用いられたことが暴露された。
此外,在今年初,一直宣称反核的民进党当局又被曝180度大转弯,拟开放日本核灾地区食品,一时让岛内舆论炸了锅。不少岛内民众痛批,“反核的说要开放核食?那还反什么核?都吃到核食了!”,更有网友直指“蔡英文媚日已经没有底线了!”
今年始めには、原発反対を主張してきた民進党当局が日本の原発事故被災地域の食品輸入を認めようとして台湾で大きな議論が巻き起こり、市民から痛烈な批判が出た。
● 台湾金牌啤酒新包装现“日本皇军” ! 台网友怒了:这是要回殖民时代?!
● 台湾ビール缶に旧日本軍のイラスト、「台湾ネットユーザーが反発」と中国メディア (レコードチャイナ)
この記事が荒唐無稽なことは分かっていながらも、福島県産の食品への侮辱は、やはり看過できないものがあります。