買い物をしていて、「基本的にはできません」という言葉を店員さんから使われたことはありませんか? 「じゃあ、例外があるのか?」と思ってしまい、不快な気持ちになる微妙な表現ですよね。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、友人に言われた「基本的にって何?」という一言で考えさせられた接客場面の言葉遣いについて紹介しています。
「基本的には」に学ぶこと
以前、友人に言われた一言でかなりハッとさせられたことがあります。というのも、飲みながら話していたら、ふとその友人が、「基本的にって何?」と言ってきたのです。どうやらどこかのショップで「これはできますか?」と尋ねたら、「いえ、基本的にはできません」と言われたとのこと。その際に、「基本的にってことは、そうじゃない場合もあるということ?」と思ったそうなんですね。
実を言うと、私も何気なく、「基本的には難しいですね」「いや、それは基本的にはできないですね」という言葉を使ったことがあったのです。日本語らしいというか、はっきりとではなく、曖昧にお断りを入れる微妙な表現なのだと思います。
でも、よくよく考えてみると、「基本的に」ということは「例外もありますよ」という意味にも取れます。あまり馴染みのないお客様などに「基本的にできません」という言葉を使ってしまうと、「じゃあ常連にはやっているの?」と思われても仕方ない表現なのです。私の友人はその区別感に少し憤りを感じて納得がいっていない様子でした。
「基本的に」に限らず、普段何気なく使っている言葉があります。接客の中で、取引先との会話の中で、本当に他意はなく使っているような言葉たちです。ですが、それは相手にとっては、違和感を感じさせてしまっていたり、場合によっては不快な思いをさせてしまっている可能性があります。前述した友人の話は、まさにそんな話だったわけです。
特に、何か提案をしている場面や、お断りを入れるような場面では、自分と相手の、わずかな受け取り方の違いで大きくこじれてしまうこともあります。クレームの場面なんかは、まさにそうですよね。
無意識に何気なく使っている言葉が、受け取った相手にとって正しい言葉なのか? 常に意識しながら、相手に届く言葉を使っていきたいですね。
今日のおさらいです。
- 無意識に使っている言葉は、本当に相手にきちんと届く言葉か確認してみる。
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