先日NTTドコモが導入を発表した、スマホの「ベーシックパック」と「ベーシックシェアパック」。「データ量の少ない人向けのプランを」という総務省の意向を反映したものとされていますが、「正直、首を傾げたくなる」と言うのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。石川さんは自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』でその理由を記すとともに、結局は皮肉にもキャリアが儲かる仕組みになっていると結んでいます。
NTTドコモが階段式の準定額制プラン「ベーシックパック」を投入――総務省が国民を意識した施策は結局、キャリアが儲かる構図に
NTTドコモは4月27日、利用データ量に応じて4段階の定額制料金が適用となる「ベーシックシェアパック」「ベーシックパック」を5月25日より提供すると発表した。
ぶっちゃけて言えば、KDDIの後追いであり、いわば「NTTドコモ版ピタットプラン」という内容だ。
NTTドコモの吉澤和弘社長は「2GBよりも利用が少ない人もいる。総務省の検討会でも少ない人向けのプランが求められている。利用の少ない人がMNPでポートアウトしていることもあり、データ量の少ない人向けの施策を作るのが狙い。顧客基盤の強化を図りたい」としている。
KDDIもNTTドコモも、総務省の意向を反映して、従量制に近い、階段式の準定額制プランを作っている。特にNTTドコモの場合は、説明資料の利用イメージに「1人あたり1,980円~」と、ワイモバイルやUQモバイルを意識した値付けを強調しているところを見ると、これによって他社への流出を食い止めたいというのが本音にあるだろう。
ただ、これが本当に「総務省が切望しているデータ量の少ない人のために優しいプランか」というと、正直、首をかしげたくなる。
KDDIもNTTドコモも、階段式の準定額制であるため、どうしてもデータ量を使いすぎる傾向が出てきてしまうように感じる。NTTドコモでは、階段があがる前後に利用状況を知らせる通知がデフォルトで届くようになっていると言うが、そこで、「スマホを一切使わない」というのは難しく、ついつい、階段を上がってしまうのではないだろうか。