なぜ、人はペットに癒され、そしてペットを飼うのでしょうか? 今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、著者でマンション管理士の廣田信子さんが、NHKで放送された番組のペットに関する目からウロコの解説を紹介。確かに「納得!」と思わずうなずいてしまうその理由とは何でしょうか?
人はなぜペットを飼うのか?
こんにちは! 廣田信子です。
人はなぜペットを飼うのでしょうか。それを解明したNHKのバラエティ番組がおもしろかったです。
今、日本で飼われているペットの数は、犬が892万匹、猫が953万匹といわれます。前年まで犬の方が多かったのに逆転していて、猫ブームを反映する数字です。
ペットを飼っている人に、「なぜペットを飼うのですか?」と質問すると、圧倒的に、「癒されるから」と答えた人が多かったです。ペットを飼うのは人間だけで、その歴史は古く、約1万2,000年前の遺跡から女性と子犬が一緒に埋葬されているミイラが見つかっています。そんな昔から…と思うと、「癒し」だけではない気がしますね。
答えは、「人は群れで生活する生き物だったから」でした。
人間は群れの中で協力し合うことができたために生き延びてきた…といわれます。群れを維持するためには、獲物を取ったら群れの仲間と分け合うことが必要で、人は、自分が持っている資源を、仲間に分け与えたいという本性を持っているというのです。その本能は現代人にも引き継がれています。だから、ペットがおいしそうに食べている姿を見て、人は満たされるのです。
現代の先進国では、群れで生活して群れの中で分け与える必要がありません。だから、ペットを飼うことで、その分け与えたい、何かの世話をしたいという本能を満足させているのだと…。人間には、「分け与える」ことで心が喜んで「幸せ」になる…ということが脳にプログラミングされているというのです。
ある映像がそれを証明していました。生後数か月の赤ちゃんが、おもちゃを持っています。お母さんが「ちょうだい」というと、赤ちゃんはお母さんにおもちゃを渡します。お母さんが「ありがとう」と受け取ると、赤ちゃんは、嬉しそうにはしゃぎます。赤ちゃんは本能から喜んでいるのです。こういう場面って、確かにあったな…思い出します。
現代は、群れで暮らさなくても生活できますし、物が溢れています。だから、ペットに食べさせ、世話をし、相手に必要とされることで、「分け与える」=「幸福感」を得ているのです。「なぜペットを飼うのか」には諸説あって理由もひとつではないでしょうが、確かにそれはあるだろうと感じました。