めざましいIT技術の進歩と、それらを活用したロボットを使った人員整理が顕著な中国。日本と比べてみるとその効率の差は歴然です。今回の無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』では、著者で中国在住の日本人著者・ジンダオさんが現地レポートを届けるとともに、「このままだと日本は置いていかれてしまう」としています。
日本は置いてけぼり。IT技術で人材整理と覇権争いが進む中国の実情
「10年ひと昔」という言葉がありますが、中国だと「5年ひと昔」という感じがしています。変化のスピードが段違いに早くてついていけません。
前回「日本って不便。中国キャッシュレス社会はどこまで財布がいらないか」で中国の電子マネーの浸透をご紹介したのですが、電子マネー以外で爆発的に日本を周回遅れにしている部分があります。その動きを見ているとキーポイントは「人員整理」「主導権を握るための競争」が大きく影響しているように感じています。
ロボットや自動認識技術など活用した人員整理が顕著
「人員整理」は日本でも起きていると思いますが、ロボットを使った人員整理や仕事の分散による作業効率化が顕著です。
13億人いるのに人材整理? と思いたくなりますが、人数が多い=国民全員が労働力ではない訳で、無駄な部分はどんどん排除しているのが今の中国。先にある高齢化社会を見据えた動きかも知れません。
まず中国人は自分の身分を証明する「身分証」を所持しています。列車や飛行機の国内線、ホテル宿泊では、スタッフは「身分証」とチケットを確認。以前の身分証はカードに本人写真と現住所、15桁から18桁の数字の羅列が個人情報として記載していたのですが、新しい身分証にはICチップが内蔵され、個人情報はカード表示以外にICチップ内にも保存されています。
この「新しい身分証」に更新されてから、劇的に効率化が上がったのが列車の窓口業務です。チケット窓口の発券作業は元々すべて手作業による作業が中心。窓口業務スタッフは行き先、購入枚数、購入者の名前、身分番号を入力して発券。現在は各窓口にICリーダーが設置され、身分証を置くとICタグ内部の情報が読み取られ、今まで面倒だった窓口スタッフの氏名と身分証の入力が省略化。また窓口以外にも発券機が常設され、身分証を置いて行き先情報を入力すれば発券。窓口や発券機以外ではネットを通じて事前購入した場合、窓口には並ばず発券機で身分証を置くだけで発券されます(※ 外国人は非対応のため窓口に並ぶ必要があります)。
15から18桁ある数値入力。幾ら窓口スタッフが早く入力できても数秒は時間が必要ですし、ヒューマンエラーで入力ミスも生まれます。ICタグに変更されて、このような手作業の業務は激減しています。