日本人が初めて海外旅行をしたときに大変驚くことがあります。それはコンビニやスーパーの店員さんのサービスが日本ほど丁寧ではないこと。逆を返せば、先進国で最低賃金が世界最低レベルにも関わらず、日本はサービスが過剰すぎるのかもしれません。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で健康社会学者の河合薫さんは、近ごろSNSで話題になった「日本のサービス業の生産性が米国の半分」という驚きのデータを紹介しています。
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年4月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。
米国の半分しかない? 日本の残念な「生産性」
「日本のサービス業の生産性は米国の半分」であることがわかり、SNSで大きな話題となりました。調査を行なったのは日本生産性本部です。
「産業別労働生産性水準の国際比較」と題された調査報告では、日本の産業別労働生産性水準をアメリカ、ドイツ、イギリス、フランスの平均値と比較。生産性は就業1時間あたりの付加価値で算出しています。
分析の結果、サービス業では米国の半分ほどで欧州の7割程度と低迷していることがわかりました。
具体的には、
- 米国の生産性水準を100とした場合、日本のサービス業の平均は50.7%
- 「宿泊・飲食」で比較すると38.8、「卸売り・小売り」では31.5%
- フランスとの比較では、サービス業全体では71.7%
- イギリスとの比較では、69.9%
- ドイツとの比較では、67.0%
……惨憺たる結果です。
日本のサービス業は過剰サービスだし、これだけ人手を使い、長時間労働なら、生産性が低くて当たり前です。
例えば、米国ではカードで買い物するときは、自分で機械に通し、自分でサインし、自分でカードを抜きます。
ところが日本では「お預かりします」から始まって、
また、米国では食品スーパーでは、自動レジで自分で詰め、自分でカードで支払っておしまい。店員さんがいるスーパーでも、大きな袋にバンバンいれて、あっという間に終わります。
一方、日本では保冷剤を丁寧にテープで袋に止め、
しかも最低賃金は、世界最低レベルなのですから、
さらに、
そういえば日本の駐車場も「
「雇用増やすにはいいのかなぁ~」とも思いますが、
これだけ高齢化が進んでいるわけですから、