楽天悲願の携帯電話事業への参入がいよいよ叶うようです。総務省は4月6日、楽天への周波数割り当てを認め、同社が携帯第4のキャリアとなることが決定しました。しかし楽天には先行3社とは別の「ある条件」も課されたとのこと。ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』でその条件について解説するとともに、「そもそも楽天がイチから携帯電話事業に参入するメリットが全く見えない」理由を記しています。
楽天に「条件付きで」1.7GHz帯の免許付与へ――2019年10月開始、料金は「楽天モバイル」と一緒
4月6日、総務省の諮問機関である電波監理審議会が開催され、楽天に対して、1.7GHz帯の免許が付与されることが決定した。
楽天は2019年10月にサービス開始を計画する。料金プランはMVNOの楽天モバイルで提供しているプランと同じになるという。また法人向けや大容量プランも準備中とのことだ。
今回、周波数の割り当てを受けたNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天に対しては、開設計画の認定にあたって条件が付与されている。特に楽天に関しては、新規参入ということもあり、3社とは別の条件も加えられている。
特に注目なのは「他の既存事業者のネットワークを利用する場合においても、携帯電話事業者は自らのネットワークを構築して事業展開を図るという原則に留意すること」とある。
つまり、「NTTドコモにネットワークを借りてサービスを提供してもいいけど、ちゃんと自分でもネットワークを構築しろよ」と釘を刺した格好だ。
楽天としては、すでにNTTドコモのMVNOであることから、MVNOとして全国網のサービスを提供しつつ、自社でネットワークを構築していくという計画なのだろう。もちろん、NTTドコモからローミングでネットワークを借りるという手もある。
ただ、最近のNTTドコモ側の感触を見る限り、「楽天がキャリアになるなら甘やかすことはしない」という雰囲気が漂ってくる。「MNOとMVNOは両立しない」ということで、MNOとしてサービス提供するなら、MVNOとして契約は打ち切る可能性もありそうなのだ。MVNOとして好条件でネットワークは借りれなくなり、ローミングとして高額な接続料をふっかけられる事も考えられそうだ。
NTTドコモとしても、MVNOの契約者数としてカウントされていたユーザーが、そのまま他社である楽天に移ってしまうのだから、黙って指をくわえているわけにはいかないだろう。