以前掲載の「1日で取引額5兆円も。『電子決済大国』中国に日本が学ぶべきこと」などでもお伝えしているとおり、「キャッシュレス社会化」が進む中国。まだまだ現金のやり取りの多い私たち日本人にとってはどうにも想像しづらい中国の現状を、無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』の著者で中国在住の日本人著者・ジンダオさんがレポートしてくれました。
キャッシュレス社会の中国って何処まで財布が要らないの?
メルマガ会員からこんなコメントを貰ったのでご紹介。
中国から日本に観光に来ると現金ばかりで面倒みたいな記事を読んだのですが、中国ではどこまでキャッシュレスなんでしょうか? 現金を全く使わない生活が想像出来ないのですが。
私も思います。「日本って不便」。
「クレジットカード使えば小銭不要でしょ」と言われそうですが、「個人間のお金の手渡し」が発生すると現金が必要ですし、財布がないと現金の持ち運びが面倒臭いです。
そこで一日の生活を通じて「何処まで現金が要らないか?」を調査してみました。
中国で使われる電子マネーって?
中国電子マネーと言えば「WeChat Pay」「Alipay」の二種類が有名。これ以外に「WeChat」系列の「QQ钱包」という電子マネー等も存在。
この二種類はスマホを使った決済機能で、「銀聯(ぎんれん)カード」と呼ばれる銀行カードを使えば「デビット機能」が搭載されその場で決済が可能です。また「銀聯」はAPPをスマホに入れるとスマホ決済も対応。
「WeChat Pay」「Alipay」「銀聯」の三種類を使えば、基本的に現金不要で決済の対応が可能です。
さて、それでは日常生活にどのくらい電子マネーが浸透しているのか、ご紹介したいと思います!
公共交通の要、市民の足となる地下鉄・バスやタクシーでは?
基本的に現金での決済以外に「交通カード」と呼ばれる、日本でいう「Suica」や「ICOCA」と同じような交通カードがあり、公共交通機関で使われています。
交通カードへのチャージは窓口での現金以外に、こんな機械を通じてチャージができます。チャージ方法は銀行カードや「Alipay」を通じてチャージが可能です。
また上海では2月からチケットや交通カード不要のサービスも開始。スマホにアプリをインストールして行き先を指定すると、料金が表示されてチャージした電子マネーや直接「銀聯」や「Alipay」で決済完了。
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タクシーにはQRコードが取り付けられていて、「WeChat Pay」「Alipay」の二種類の決済の対応が可能。QRコードが付いていなくても心配ありません。
運転手に「微信支付(wēi xìn zhī fù)WeChatPay」「支付宝(zhī fù bǎo)Alipay」で決済したいと伝えると、運転手がスマホを取り出して「WeChat Pay」「Alipay」機能の、「個人間の送金機能」で支払いが完了します。
列車のチケット購入窓口も「WeChat Pay」「Alipay」対応済み。
※中国は「微信支付」と「支付宝」と言わないと通じないのでご注意を。
バスは交通カードのみですが、先程の地下鉄駅でチャージしておくと、交通カード決済で完了です。