先日掲載の「内閣支持率が10ポイント急落。遠のく改憲、近づく安倍政権の終焉」では、森友問題の影響もあり、安倍内閣の支持率が急落していることをお伝えしましたが、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』にも、安倍首相続投に「賛成」「反対」両方の意見が届いているようです。メルマガ著者で国際関係研究者の北野幸伯さんは今回、自身が「首相続投が日本の国益」だと主張する理由を、読者の意見に答える形で説明しています。
安倍総理は有能、無能?二つの異なる意見
先日、「安倍続投が日本の国益」というお話をしました。この記事について、「賛成!」「反対!」正反対の意見が届きました。興味深いので、ご紹介させていただきます。
先日の記事を読んでいないとわけがわかりません。まだの方は、こちらからご一読ください。
● 安倍総理続投が日本の国益、辞めれば習近平が大喜びする理由
まずは、「安倍反対」のご意見から。佐藤様からのメール。
北野様
メールマガジンの発行お疲れ様です。いつも為になる情報をありがとうございます。佐藤と申します。今回のメールマガジンですが、意見を言いたくメールを差し上げました。
安倍氏を支えるとの立場のようですが、安倍氏は奥さんも含めて無能なのではないでしょうか。前防衛省大臣の女史を含め人を見る目が無い様です。もううんざりです。安倍氏が今回の騒動を乗り越えたとして、その行き着く先があの憲法改正では希望も何もありません。あれは米国への属国の深化になるのではないでしょうか憲法に関しては安倍氏より石破氏の方がマシでは無いでしょうか。
安倍氏の意向に沿った憲法の原案をまとめるとすると、自民党も賞味期限が切れているとしか言いようがないです。現状追認しか出来ない政党です。民主党などは確かにひどかったですが、状況に寄っては真の独立に向けて歩むこともあるのではないでしょうか。今回は安倍氏に休んでもらって、石破氏などを応援する方がいいのではないでしょうか。僭越ながら、北野さんの再考を望みます。
安倍氏も自民党も属国を深化させる勢力です。表面的には防衛力を強化している様に見えますが、根本的な部分には手をつけていないのではないでしょうか。
佐藤様のご意見で、私が気になったのは、
安倍氏も自民党も属国を深化させる勢力です。
という部分です。自民党全体については、そうかもしれません。しかし安倍総理が、「属国を深化させる」とは思いません。例をあげましょう。
- 安倍総理は、オバマさんに逆らって、プーチン・ロシアと和解した
- トランプさんはTPPから離脱、安倍さんはその後もTPPを推進
- トランプさんは、パリ協定からの離脱を宣言。安倍総理はパリ協定を支持
- トランプさんは、エルサレムを「イスラエルの首都」と認める安倍総理は、これを認めず
事実を見ると、安倍総理は、重要問題でしばしばアメリカ大統領と正反対の立場をとっています。これで「属国を深化させている」と言えるでしょうか? 私はむしろ、安倍総理は「自立外交をしている」と思いますが。