スパイ暗殺未遂事件が引き金?漂い始めた欧米 vs ロシア冷戦の気配

 

何が起こっているのか?

ここ数年の流れを見ると、もっとわかりやすくなります。2011年、シリアで内戦が勃発しました。アサドは「反欧米」なので、欧米は、「反アサド派」を支持した。アサドは「反欧米」で「親ロシア」なので、ロシアはアサドを支援している。この内戦は、欧米 対 ロシアの代理戦争」と化したのです。そして、アサドは、いまだに政権にいる。つまり、この代理戦争で、プーチンは欧米に勝っている

2014年2月、ロシアの西の隣国ウクライナで革命が起こった。そして、親ロシアのヤヌコビッチ政権が倒れ、親欧米新政権が誕生した。プーチンは激怒し翌月クリミアを併合しました。続いて、ウクライナ内戦が勃発。欧米は、ウクライナ新政権を支援。ロシアは、ウクライナ東部「親ロシア派」を支援しました。つまり、ここでも欧米 対 ロシアの代理戦争」が起こった。

で、現状は? クリミアは、実質ロシア領になった。ウクライナ東部のルガンスク、ドネツクは、事実上の独立状態にある。つまり、ここでも、ロシアが勝っている。ちなみに、プーチンは、北朝鮮問題で常に「対話派」でした。日米韓は、「圧力派」だった。しかし、韓国が寝返って対話派になり、アメリカも続いて対話派になった。ここでも、プーチンが勝っています

ただ、一つ言えることは、シリア、ウクライナ、北朝鮮におけるプーチンの勝利は、どれも「戦術レベル」である。欧米は、「大戦略レベル」で対抗しています。何でしょうか? 柱は二つ。

  • 情報戦 = あらゆる機会をとらえて、プーチンを「悪魔化」すべし
  • 経済戦 = あらゆる機会をとらえて、制裁を強化していくべし

それで、プーチン・ロシアは勝利を重ねるほど苦しくなっていく。日本もかつて、こんな感じでやられたのですね。

欧米 対 ロシアの戦い

どうなっていくか、注目していましょう。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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