活況が伝えられる回転寿司業界にあって、「一人負け」の様相を呈しているのがかっぱ寿司。2016年にはロゴからカッパを排しイメージの刷新を図るなど数々の手は打ってきましたが、抜本的な業績の改善にはつながっていません。かっぱ寿司はこのまま沈んでしまうのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者・佐藤昌司さんが同社の今度を占います。
社長とカッパのキャラクターの交代で「かっぱ寿司」は変わることができるのか?
回転ずしチェーン「かっぱ寿司」
業績を回復させることができなかったため辞任に追い込まれたとする見方があったり、「コンプライアンス違反があったため」と報じる報道機関もあるなど、様々な憶測が飛び交っています。真相は今のところ公には分かっていませんが、いずれにしても、同社の業績は芳しくなく、有効打を打てていないことだけは間違いありません。
同社はかっぱ寿司の不振により15年3月期に134億円という巨額の最終赤字を計上しています。16年3月期はなんとか黒字を確保したものの、17年3月期には58億円の最終赤字を計上し、経営が抜き差しならないところまで追い込まれています。売上高も減少が続いています。
今期も厳しい状況が続いています。17年4~12月期の売上高は前年同期比0.6%減の595億円。最終利益は売上高の1%にも満たない3億6,500円です。
厳しい状況を受けて18年3月期の業績見通しの修正を1月に発表。売上高は前回発表より3.5%少ない783億円とし、前年と比べて1.3%減る見込みです。最終利益は13億8,300万円から7億8,100万円に下方修正しています。
回転ずし業界が活況を呈しているなか、かっぱ寿司の不振は異常といえます。市場調査会社の富士経済によると、回転ずしの市場規模は2016年が6,055億円で、前年比で4.8%増加しています。
回転ずしの市場規模は外食産業の中でも伸びが大きく、「回転ずし店であれば伸びて当然」という雰囲気さえあります。しかし、かっぱ寿司はそうした波に乗りきれず、逆に沈み込んでいる状況です。