「対話ムード」をぶち壊したいアメリカ
この件、アメリカはどうなのでしょうか? まず、トランプさんは、こんなことを言っています。
トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで記者団に対して、北朝鮮が韓国との首脳会談の実施で合意し、朝鮮半島の非核化に向けた米朝協議の用意があると表明したことについて、「非常に前向きだ」と評価し、「(事態が改善すれば)世界や北朝鮮、朝鮮半島にとって素晴らしいことだ」と述べた。
(毎日新聞3月7日)
「素晴らしいこと」だそうです。しかし、一方で「米韓合同軍事演習」の再開が発表されました。
合同軍事演習「平昌パラ後に再開」 米高官、5月中旬めど
3/7(水)7:32配信
【AFP=時事】(更新)米政府高官は6日、平昌冬季五輪・パラリンピック後に延期された米韓合同軍事演習について、米国は再開する方針だと明言した。
ただしこの件については、金正恩も「理解する」としています。「軍事演習が実施されても、ミサイルはぶっ放さない」ということですね。さらに、アメリカは6日、「独自追加制裁」を発表しました。理由がすごい。
米政府、金正男氏暗殺で「VXガス使用を命令」と北朝鮮に追加制裁
BBC NEWS 3/7(水)11:42配信
北朝鮮の最高指導者・金正恩氏の異母兄、金正男氏が昨年2月にマレーシア・クアラルンプールで殺害された事件について、米政府は6日、北朝鮮が猛毒のVXガスによる殺害を命じたものと結論し、追加制裁を導入すると発表した。
金正恩が、兄の金正男をVXガスで殺したので、追加制裁する。まさに3月6日に発表されたことに意味がありますね。「韓国は、悪魔のような男と取引しているのだ」と、世界に示したいのでしょう。アメリカ、本音では「対話に反対」なようです。
北朝鮮核問題の現状を見ると、
- 中国、ロシア、韓国、北朝鮮は対話派
- アメリカ、表向きは対話を歓迎しつつ、本音では反対
- 日本、圧力派
となっています。今後どうなっていくかわかりませんが、日本は、トーンをアメリカに合わせていく必要があるでしょう。「圧力!」「圧力!」と繰り返すだけでなく、「本当に非核化につながる対話ならば、歓迎する」と言うべきです。そうでなければ、「日本だけ好戦的」になってしまいます。