冒頭の疑問の続きに戻ります。
「460億円ものお金がなぜあるのか」。
コインチェック社は数多くの仮想通貨を取り扱っております。
仮想通貨に詳しいあるブロガーは、取扱高を推計し、各種取引手数料から2017年だけで2,000億円の「粗利」があると試算しました。
経済評論家の荻原博子氏も「2,000億円の現金があるはずだから大丈夫」としたり顔。
ブロガー自身も「推計値」と認めている試算を、確定値として語る萩原博子氏の厚顔ぶりがいかしています。
話し半分としても1,000億円。なるへそ、返済には十分でしょう。すると自動的に3つめの疑問に繋がります。
「その460億円は本当にあるのか」。
レートはともかく460億円ものお金が、創業から十年にも満たないコインチェック社が用意できるのか。
もっともな疑問で、先の2,000億円が本当ならば、その「現金」はどこにあるのか。
常識で考えれば「銀行口座」でしょう。ところが、コインチェック社による保有する現預金で支払うという説明に、金融庁は納得していないと2018年1月29日の読売新聞は伝えます。
先頃引退を表明した小室哲哉氏は、「銀行の通帳って100億円は載らないんだ」と、その絶頂期に知ったと言います。通帳に印字できる桁数に限界があるということです。
しかし、いまどきの企業なら「ネット口座」を開いており、印刷する桁数が足りないということはなく、2,000億円も現預金をもっていれば、取引先の銀行には専属の担当者がついていることでしょうし、電話一本で説明に来ることでしょう。
果たしてコインチェック社は「日本円」をどこに置いているのでしょうか。
さらに手数料収入には「消費税」がかかり、確定消費税額が48万円を越えると、所管の税務署に「中間報告」しなければならず、2,000億のレベルになれば、毎月報告しなければなりません。
某かの事情で現預金について十分な説明ができなかったとしても、こうした関連情報からでも、「資金」の裏付けは可能なはずながら、金融庁が納得しなかったのは何故か。
経済評論家ではないので、憶測を断定することはせず、推移を見守りたいところですが、状況証拠からだけみれば、日本円の存在に疑問を持ちます。
4年前に「予言」したのは、当時からすでに「リアル店舗で仮想通貨が使えるようになった」という話を耳にしたことがきっかけです。
そして調べたことを「常識」に照らして計れば「ヤバイ」。例えばビットコインなどの仮想通貨で支払うにせよ、国内の取引なら消費税が発生します。
税率8%とすれば、100万円の手数料に8万円がかかり、それは100ビットコイン(BTC)ならば8BTCとなることでしょう。
このあずかった8BTCが、納税までの短期間に100倍に跳ね上がったとき、税務署に納めるのは、発生主義に立てば、預かったときの日本円相当ですから、差額から「益税」が発生します。
納税額を銀行に預けておくことで生じる金利については、かねてより議論がありますが、仮想通貨においては桁違いの事態が発生するのです。
これらも4年前にすでに予言していたこと。ま、私如きの指摘などが社会に影響を及ぼす訳もありませんが。
image by: Coincheck - Home | Facebook