満月が通常よりも大きく見える「スーパームーン」と、満月がひと月で2度起こる「 ブルームーン」、月食時に月が赤銅色を帯びる「ブラッドムーン」の3つが重なる非常に珍しい現象「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」が観れるかもしれません。前回掲載の「1月31日の主役は『月』。双眼鏡を用意して『皆既月食』を見よう」でも紹介しましたが、1月31日は日本中で「皆既月食」が見られます。とは言え、「初心者で観察するための道具も知識もない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが、誰でも皆既月食を楽しめる簡単な準備と場所選び等について、徹底解説しています。
皆既月食を見よう!
年明け早々「1月31日の主役は『月』。双眼鏡を用意して『皆既月食』を見よう」でもご紹介していますが、1月31日の夜、皆既月食が起こります。様々な天文現象の中で、「街中でも、機材がなくても誰もが楽しめる」という点ではこれほど見やすいものは他にはありません。ぜひ一人でも多くの方に楽しんでいただきたいので、「皆既月食を見よう」をテーマに書き連ねていきます。準備万端整えて、みなさん、それぞれの楽しみ方でたっぷり皆既月食を味わっていただきたいと思います。
まず、基本的なことですが、今度の皆既月食の概要をおさらいしておきましょう。月食は、太陽・地球・月の順番に並んだ時に起きる現象です。太陽からの光で地球の反対側に影ができます。普段はそんな影の存在はわかりません。しかし、その影のあるところを月が通過すると…地球の影に月が隠されることになるのです。
「地球の影に月が隠される」のが月食ですから、影に少しずつ入っていくところから、すっぽり隠れるところ、そしてまた徐々に影から出るところ、という過程を辿ります。影に入り始めると、丸い月の一部が欠けて見えるようになります。これが部分食です。そして地球の影にすっぽりはまったら皆既食となります。
今回の月食では以下の時間帯で予報が出ています。
- 部分食の始め:1月31日 20時48.1分
- 皆既食の始め:1月31日 21時51.4分
- 食の最大:1月31日 22時29.8分
- 皆既食の終わり:1月31日 23時08.3分
- 部分食の終わり:2月1日 0時11.5分
※ データは『天文年鑑2018』誠文堂新光社から。時間は日本のどこで見ても変わりません。
ざっと1月31日の夜9時前ぐらいから日付が変わる頃までと、なかなか長時間にわたっての現象です。皆既食の始めから終わりだけを考えても10時前から11時過ぎまでと1時間を超えています。少々曇っていてもきっと雲間からでも見るチャンスが期待できそうな現象です。
月はどの辺に見えているのでしょうか? 皆既月食が起きるのは満月のとき(太陽と月が、地球を挟んで反対にあるんですから)。満月の南中時刻(真南に来る時刻)は真夜中(0時)です。ということは、部分食の終わる頃がちょうど真南です。東南東から南東にかけてよく見えるところがあれば、月が建物などに邪魔されることなく観測できそうですね。「1月31日、夜の9時前から日付が変わる頃まで」「東南東から南東にかけて空が広く見えるところ」というのがポイントとまとめておきます。