米を襲った豪雪「スノーマゲドン」に日本の気象予報士が焦るわけ

北極 爆弾低気圧 河合薫 異常気象
 

「ニューヨークで大雪」などのニュースを耳にするたび、「外国の話だから関係ない」と感じている人も多いかもしれません。しかし、実は日本の異常気象や自然災害の発生は海外の異常気象が大きく関係しているようです。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では、「ニュースステーション」で気象予報士として出演していた健康社会学者の河合薫さんが、年明け早々世界で相次ぐ異常気象を紹介しながら、日本との関係性について詳しく解説しています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年1月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

スノーマゲドン到来! ニューヨークに大雪が降ると日本も凍てる

年明け早々、世界各地で異常気象が相次いでいます。

北米を襲ったのが「ボンボジェネシス(bombogenesis)」。

いわゆる爆弾低気圧で「中心気圧が24時間に24ヘクトパスカル以上低下する低気圧の呼び名です。

  • フロリダ州タラハシーで28年ぶりに雪が降った!
  • フロリダ州ボカラトンではイグアナが凍えて木から落下!
  • フロリダ州ガルフワールド海洋公園はメキシコ湾で動けなくなっていたウミガメ
    200匹を救出!(ウミガメは気温10度で動けなくなる)
  • マサチューセッツ州ナンタケット島では波が凍りいた!
  • ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港は閉鎖され、4000便以上が欠航!
  • ニューヨーク州では氷点下13度まで低下!
  • ニューハンプシャー州ワシントン山の気象観測所では、氷点下36度を記録。
    強風を伴い体感温度は氷点下69度まで低下!
    ……etc. etc.

さらに低体温症やスリップ事故で、少なくとも22人の死者が出たと伝えられています。

一方、オーストラリアのシドニーでは記録的な猛暑に見舞われています。

7日の気温は47.3度まで上昇し、1939年に記録した観測史上最高の47.8度に次ぐ暑さです。

シドニーの警察は住民に対し、十分な水分補給を心がけ、直射日光を避けるよう呼びかけると共に、シドニー市内や周辺地域では猛暑や強風が予想されることから、火の使用が全面的に禁止されました。

1890年代、スウェーデンの化学者スヴァンテ・アレニウスは工場からモクモクと出る黒い煙を見ながら、

「この煙が気候を大きく変えるに違いない。そして、人間がその変化に気付くときには、既に取り返しのつかないことになっている」

と呟いたとされていますが、2018年は“変化を痛感させられる年明けとなってしまいました。

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