中国は、アメリカを操ることができる
今回新刊を書くにあたって、私は米中関係の過去をいろいろ調べてみました。そして、その関係の深さに驚きました。簡単に振り返ってみましょう。
1970年代初め、米中は接近を開始。理由は、「ソ連が米中共通の敵」と認識されたこと。キッシンジャーは、この時点で、米中は「事実上の同盟関係になった」と断言しています。1980年代、鄧小平は、アメリカから、経済発展に必要なノウハウ、技術を無制限で受け取ることに成功。しかし、1989年の天安門事件と、共通の敵ソ連崩壊で、米中関係は危機に陥ります。
中国が、アメリカの政治を思い通りに動かせるようになったのは、90年代からです。まず、1993年、いわゆる「クリントン・クーデター」が起こった。クリントンは就任時、見かけ非常に「反中」でした。そこで中国は、ルービンさん、サマーズさん(共に、後財務長官になった)を取り込んで、クリントンの政策を180度転換させることにしたのです。そして、それは大成功しました。
トランプも、今年1月に大統領になったとき、非常に反中でした。彼は去年の12月、台湾の蔡総統と電話会談し、世界を仰天させています。しかしその後、中国の工作で、すっかり懐柔されてしまった。今ではトランプさん、「私は習近平が大好きだ!」と公言してはばかりません。
バノンさんは、「アメリカは、中国の属国だ!」と主張している。私も、「中国は、(イスラエルを超えて)世界一アメリカの政治に影響を及ぼせる国である」という結論に達しました。
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