同調圧力の大きさを示す、あるアメリカの実験がある。あるカードに描かれた線分と同じ長さの線分の描かれたカードを探すというものである。その際に被験者の中にサクラを用意し、明らかに違う線分のカードを揃って選んでいく。するとその後に選ぶ被験者の75%が、明らかに違っているカードを一旦選ぶという。自己主張や個性を尊ぶアメリカでさえこうなのである。アッシュの同調実験と呼ばれるこの実験は、同調圧力がいかに強い力を持つかを物語る。
人は快を求め不快を避ける。本能のままに生きたのなら、自分を守るためにいじめる側に回り、そこで楽しみを得るのかもしれない。しかし本能のままに生きる人間から尊厳を持った人間に変える方法がある。それは教育だ。来年度から小学校、翌年からは中学校で、道徳が特別な教科「道徳科」となる。そこで質の高い教育が行われたのなら、いじめ防止の一助となるだろう。
守矢 光児
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