カリスマシェフにラーメン界のカリスマ、果てはカリスマ主婦―。私たち日本人にとって若干聞き飽きた感もあるカリスマという言葉ですが、アメリカ人はこのワードにめっぽう弱いというのは『NY在住となりの起業家中川扶二夫「誰でもなれる海外起業家論」』の著者・中川さん。NYで成功したいのなら自称カリスマでもOK、とにかく自分をアピールすることが重要だと説いています。
謙遜よりもカリスマ
アメリカ、特にニューヨーク(NYC)で起業する場合、「ジャパンブランド」や「カリスマ」を利用することも可能です。手に職を持った日本人がNYCで起業する場合、結構効き目があります。
ニューヨークで人気のドーナツとか、シアトル(SEA)で人気のポップコーンと言えば、いきなり、日本で行列ができるほど流行るのと同じなんです。
しかし、行列ができるなんて…、それって実際NYCに住んでいる我々にとっては「え~っ」て感じなんです。だって、NYCにもSEAにも実際にお店は存在するものの、正直、決して流行ってないものなのですから。
数年前日本でオープンし行列ができ2時間待ちもあったドーナツ屋さんですが、その時はもうNYCのお店はほとんど閉店していました。だって、普通のドーナツなんですから。それが、NYCから姿を消したと思ったら、日本へ上陸して行列! 日本のアメリカ好きは凄いって感じでした。
NYCにお店があった頃も、そのドーナツ屋さんに行列なんてありえませんでした。でも日本では行列ができるほど流行るのです(今は行列はないようですが)。
日本での「アメリカブランド」やNYCの「カリスマ」は凄く、「人気ありスタート」が可能なんです。
同様にNYCでも、「ジャパンブランド」だけでなく、カリスマシェフ、カリスマ美容師、カリスマSE、カリスマラーメンとPRし、「人気ありスタート」が可能なんです。
別に詐欺やインチキではないのです。自分が自分をカリスマだと評価し、それをアピールしているだけなのです。だってカリスマのライセンスなんか存在してないのですから。
余談ですが、社員採用面接の履歴書に日本人以外の方は、「日本語できます」と書いてある場合が多いです。実際面接してみると、こんにちは、ありがとうを言えるレベルなんです。確かに日本語の挨拶はできますが…(汗)。これが、自分で自分をアピールする世界での常識なんです。
日本人はたとえできても遠慮したりします。人前で歌を歌えと言われた場合、「下手ですが、歌います」英語のスピーチの場合も「英語下手ですが、英語でさせて頂きます」とにかく、自分で自分の評価をします。しかも、悪い評価をしそれをアピールするのです。謙遜が美徳な日本ですが、世界ではそれは不要です。「不味いけど是非食べてください」と言われて食べる気になりますか?(笑)
アメリカでは、とにかくアピールが大切です。美味しくなくても、とても美味しいですよ、と出すくらいの根性が必要なのです(笑)。
なので、日本で実際に手に職をもっていて、どこかのお店で働いた実績があり起業をしたいのなら、「カリスマ」起業をすべきなのです。