長くなったので最後に行きましょう。
「戦争のコスト」の問題です。
コストという考え方には二つの考え方があります。
一つは「金銭」で、もう一つは「人」という考え方になります。
金銭という意味では、「ミサイルの開発費用」というような感じになるでしょうか。
これに関しては議論はいりません。
武器が高ければ、それだけ、武器を損なうことができないし、よほどの軍資金がなければ国家が破産してしまうので戦争はできません。
これはわかりやすいと思います。
もう一つが人です。
実際に「男女平等」などということがありますが、実際には戦場で最前線に出るのは若い男性です。
この場合「少子化」が大きな問題になります。
つまり「兵員がいなければ戦争継続能力はない」ということになるのです。
これは非常に大きな問題で、2016年に中国の習近平が慌てて一人っ子政策をやめたことなどで見てわかるように、人口がいかに多くても、老人や子供ばかりでは戦争ができないということになるのです。
このように考えれば、「少子化」ということが非常に大きな問題になるということになります。
もっと言えば、「戦争」の抑止力として「少子化」があり、子供が育たないような環境を作れば、実は戦争は起きないということになります。
北朝鮮が飛行機や銃などをそろえるのではなく、ミサイルを開発しているというのは、現在の北朝鮮の人口問題から非常に合理的な軍備と言えます。
逆に言えば、少子化、少なくとも人口の減少によって、地上戦などを行うことができないのではないかという予想が出るのです。
このように考えてみれば、北朝鮮の戦争の可能性は、少子化以外のところでは非常に高いと言えます。
当然、これらの分析はロシアも行っており、ロシアも、その内容を考えているということになるのです。
ちなみに中国も、この分類で言えば似たような感じになっているということになります。
ロシアは極東部において、「戦争の可能性が高い政府を二つ抱えている」状態であるということになるのです。
さて、長くなりましたが次回からそのロシアについて考えてみましょう。
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