人が躊躇なくお金を使う「心理」がわかれば、商売・事業の戦略はより立てやすくなるというもの。「それがわかれば苦労しない」という声も聞こえてきそうですが…、今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、具体例を上げつつそこには「苦痛」が大きく関係しているという持論を展開しています。
お客さまを「苦痛」から解放しろ!
人が躊躇なくお金を使うのは、どんな場面でしょうか。欲しいモノがある時? 必要なモノを買う時? いいえ、それだけでは決断しづらいものです。買わなくても良い理由を探し、諦めてしまうこともあります。では、諦めずに決断するのは、どんな時でしょうか。
耐え難いほど身体の具合が悪い時、あなたはどうしますか。当然、病院へ行きますよね。苦痛から逃れるために、躊躇していられません。この状況と同じように、日常生活での困りごと(苦痛)を解決できるのなら、人は躊躇せずにお金を使うことができるのです。
たとえば、家電製品が故障した時。修理を依頼するか。買い替えるか。修理費も高いので、買い替える人が多くなっていますが。ここに、「苦痛」が発生します。まず、お店に行かなければなりません。次に、選ばなければなりません。そして、大金を使わなければなりません。家電マニアでもなければ、大きな苦痛となります。
この苦痛をなくすために、家電量販店では、有料の「長期保証」をお奨めしています。数千円から1万5,000円程度で、3年・5年・10年などの保証を販売しているのです。保証があれば、故障しても修理を依頼するだけで済みます。お客さまは、故障した時の苦痛を知っているから、長期保証のお金を躊躇しないのです。
他にも苦痛をなくしてくれる商品があります。自動車のリースです。最近は、軽自動車なら月1万円で借りられるようです。車を所有すると、車検や修理代、メンテナンス費用が結構掛かります。しかし、リースなら車検やメンテナンスの費用が含まれているのです。
車検には、一度にまとまったお金を用意しなければなりませんし、修理も大金が必要になる場合があります。この苦痛から解放されるのなら、リースに替えても良いのではないかと考えます。毎月払っている方が、心理的な負担が少なくなりますし。
また、「東京ディズニーリゾート」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では、行列に並ばなくても良い「ファストパス」や「エクスプレス・パス」を提供しています。楽しむための行列ですが、苦痛であることに間違いはありません。ユニバーサルでは、「エクスプレス・パス」は有料で、大きな収入源となっています。あまり誉められた商売ではありませんが。
このように、お客さまを「苦痛」から解放する手立てを考えれば、躊躇なくお金を使ってもらえます。そして、喜んでもらえるのです。
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