「20世紀のアメリカ史上最大のミステリー」と言われるケネディ大統領暗殺事件。その全貌解明のカギを握る機密ファイルが今年10月26日に全文公開されるはずでしたが、CIAやFBIの要請を受けたトランプ大統領の判断により11月3日現在で一部のみの公開にとどまっています。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』では、世界情勢に精通する著者の高城剛さんが、文書すべてを公開できなかった米国の「裏事情」について記しています。
「ケネディ文書」が全文公開されなかった理由
今週は、質問を多く頂戴しました米国ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に関する機密ファイル公開につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。
1963年に世界に衝撃を与えたジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に関する「機密ファイル」が、10月26日に一部公開となりました。長い調査が続いた挙句、1992年に内容の公表に関してCIAとFBIが「国の安全保障に関わる」として「JFKファイル公表特別法」が制定され、その25年後にファイルをすべて公開するとして封印しました。本年10月26日がその日です。
事件が起きたのは、1963年11月22日。遊説のためにダラスに訪れたケネディ大統領が、市内をオープンカーで走行中、突然発射された銃弾3発のうち2発が首と頭部に命中し死亡しました。近くの倉庫のビルの窓から狙撃したとしてリー・ハーヴェイ・オズワルドが逮捕されましたが、2日後、護送中のオズワルドを別の男が射殺。この「口封じ」により、事件は解明されることなく「20世紀のアメリカ史上最大のミステリー」となりました。
当初、ケネディ大統領の暗殺に関する「機密ファイル」を全文公開すると言っていたトランプ現米国大統領も、いまをもってもCIAとFBIが安全保障上の懸念を示していることから、情報の一部は依然として未公開になり(180日以内に再検討としています)、事件の詳細はまだまだ不明です。