世界一「親日」の台湾で見つけた、不思議な「日本料理店」に潜入

台湾 日本料理
 

日本の統治下にあった歴史を持ちながら、世界で一番日本が大好きな「親日」の島国・台湾。そんな台湾に2015年まで住んでいた日本人「小 籠包(しょう・ろんぽう)」さんが発行する無料メルマガ『〜台湾大好き!メルマガ〜 レレレの台湾』では、在台当時の「ひとり飯」体験をチラッと公開。最新号では、日本大好きな台湾で見つけた台湾人の経営者による「日本料理店」で、見たこともない不思議な日本料理を体験した面白エピソードを紹介しています。

リアル孤独のグルメ台湾篇 太郎日本料理(たろうにほんりょうり)

妻が里帰り出産して台湾へ戻ってくるまでの4ヶ月間、台湾で一人暮らしを経験しました。

その間、私が食べた台湾グルメとお店を少しづつご紹介いたします。

店名:太郎日本料理
住所:台北市内湖區民權東路六段106號
営業時間:11:00〜14:30 17:00~ 22:00
定休日:無休

私が台湾在住時に勤めていた会社の近くに、一軒の気になる飲食店がありました。その名も…

太郎日本料理」(たろうにほんりょうり)

ええ、日本料理太郎じゃないんです、「太郎日本料理」です。

その時点でなんだか不思議なのですが、和食店であることをイメージした店名ということなんでしょうか。実は、台湾ではこうした「台湾人による日本をイメージした日本風のレストランが沢山あります。そういう店に限って、日本以上に「日本、日本」していて、かえってエキゾチックな雰囲気だったりします。でも、それだけ台湾の人たちは日本好きで、日本に信頼をおいている証拠だと言えます。日本なら旨いだろうと。

機会があればご紹介しますが、台湾ではメイドインジャパンを「装った」台湾製の商品はとっても多くて、なんだか可笑しい(まるでグーグル翻訳しただけの)日本語が書かれた雑貨やお菓子が多数販売されています。日本語が書かれているから、日本が関係しているのかも、と思わせるためです。もちろんほとんどが無関係です。今回ご紹介する、「太郎日本料理」もそんな「日式(日本風)料理店」の一つというワケです。

台湾 日本料理

image by Googleストリートビュー

ある日の夕方、前から気になっていたこの店に、私は勇気を振り絞って入ってみることにしました。店の人は、さぞかし驚いたのかもしれません、日本風をウリにしている店に本物の日本人が来たんですから。せっかくなので、セット料理(定食)を頼んでみることにしました。

どんなものが出てくるのか分からずドキドキ。私が頼んだのは「猪排定食」、いわゆるトンカツ定食です。

値段は280元日本円で1000円)で、前菜手巻き寿司主食小鉢白飯季節のスープデザート付き

お店の人もちょっと緊張しているみたいです、何せ日本人が来た訳ですからね。。。すみませんね。。。

まずは前菜、小魚とピーナッツを甘辛く和えたもの(日本の田作りみたいなやつ)と甘く煮た昆布、インゲン豆の甘味噌掛けの3点が横長の皿に並んでいます。そしてその皿には「とうがらし」という文字のプリントが! 同時に味噌汁も出て来ました、少し甘めの。これはワカメ、溶き卵が入っていてまずまずの味でした。白飯にはゴマ塩も。せっかくなので、ここで台湾ビールも注文して、前菜をつまみながら一杯やってメインを待つことに。

次に出て来たのは手巻き寿司。専用の台に差し込まれて置かれたその手巻き寿司は、細長い大根のお新香3本、きゅうり、削り節、そして千切りキャベツ(ドレッシング掛け)が海苔に包まれたものでした。米はないんか。でもサッパリして美味しいので、まあ良しとしますか。トンカツ定食だから重いものが出て来ても困るし。

前菜と手巻きを平らげて、ビールで一杯やっていたところ、ようやくメインのトンカツ登場

しかし、そのトンカツを見て驚きました。なんと衣がパン粉じゃない! しかもケンタッキーフライドチキン風だ。

あのカリッとした衣のついたトンカツが二枚も載ってます。そして横にはソースじゃなくてケチャップが! 小鉢にはピリ辛に味付けされたホタテのひもかわが添えられていました。うーむ、これは日本料理ではないけど、どれもちょっと美味しそう。早速、ケチャップをつけて食べてみると。。。美味いこれはこれで美味い! ピリ辛のひもかわもビールに合うし、フライドチキン風の衣で揚げた豚肉っていうのもイケるなあ。

最後には、デザートとしてクコの実とはと麦の入った甘いスープ状のものが出て来ました。モロに台湾風です。

結果として、中身は台湾人解釈の創作日本料理でしたが、味はそこそこ美味かったので良い時間を過ごせました。

皆さんも、もし台湾へ旅行する際、時間があればこうした日本風(日式)料理屋へ一度は行って見てくださいね。

↓そんな太郎日本料理のHPはこちら。1986年創業とのことですが、台湾で30年以上続いている店は老舗ですよ。

太郎日本料理公式HP

太郎日本料理のインスタグラムはこちらから。日本や日本料理が台湾で愛されていることがわかりますよ。(つづく)

インスタグラム(太郎日本料理で撮影し投稿されたもの)

※1元=3.6円(2017年10月現在)で換算

image by: Googleストリートビュー

小 籠包(しょう・ろんぽう)この著者の記事一覧

台湾に住んでいた時に食べたグルメ情報から、台湾の生活習慣、中国語もできない夫婦が台湾に住んで経験した「しくじり」の数々、街を歩いて見つけた路上観察物件、台湾の人々とのふれあいと「日台の絆」、台湾de子育て体験記、感動&仰天エピソードなど、台湾の「生」情報を毎月8のつく日にお届けいたします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ~台湾大好き!メルマガ~ レレレの台湾 』

【著者】 小 籠包(しょう・ろんぽう) 【発行周期】 8日、18日、28日など、8のつく日

print
いま読まれてます

  • 世界一「親日」の台湾で見つけた、不思議な「日本料理店」に潜入
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け