時代の流れでゲームの主流がスマホへと移り変わり、株価が暴落するなど長い低迷期に沈んでいた任天堂。しかし、「Nintendo Switch」が驚異の大ヒットとなり、それに続くように復刻版のファミコンも大ヒット、ここに来てかつての輝きを取り戻したようにも見えます。無料メルマガ『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』では著者の安部徹也さんが、この復活劇をMBAホルダーの目線で分析しています。
任天堂の復活劇を決定付けた2つの要因とは?
任天堂の復調が鮮明になってきました。
9月20日には、株式の時価総額が2008年9月以来、9年振りに6兆円の大台を回復。
任天堂の株価は今年の2月には2万2,000円程度の水準でしたが、10月16日には高値で4万4,600円を付けるなど、実にこの8ヶ月ほどで倍以上値上がりしたことになります。
この間、日経平均株価も21年振りの高値を更新するなど、堅調な相場が続いていますが、それでも1万7,865円から2万1,288円と19%程度の上昇なので、任天堂の株価の上昇率がいかに突出しているかがわかるでしょう。
それでは、ここで任天堂の過去の業績を振り返ってみましょう。
任天堂は、2004年に投入した携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」と2006年に投入した据え置き型ゲーム機「Wii」が空前のヒットを記録し、2009年には売上高が1兆8,386億円、営業利益は5,553億円という過去最高を記録します。
この堅調な業績を背景に、2007年には株価が急騰。11月に7万3,200円を付け、時価総額は10兆円を超える規模にまで拡大していました。
ところが、時代の流れでゲームの主流が手軽にできるスマートフォンに急速に移行する中、任天堂はあくまでゲーム専用機にこだわった戦略が裏目に出ます。
スマホゲームに対抗すべく投入した次世代機「Wii U」が売れずに苦戦。2012年から2014年まで3年間にわたって300億円を大きく超える巨額の赤字を計上し、窮地に陥ってしまいました。
株価も2012年7月25日には8,060円と、5年前から9割近く下落し、任天堂は、長い低迷期に入っていたのです。