毎回、派手なプレゼンテーションで新製品を発表している米アップル。去る9月10日もiPhone 6sやiPadの新作が発表されたばかりですが、画期的な新商品を出さない限り「大仰な発表会」の演出は逆効果だと苦言を呈するのは、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さん。今回の発表会からは、スマホやタブレットの「終焉」が見えてきた、と語っています。
過度な演出はかえって逆効果
今週は東京にいます。
大雨が続く深夜に、カリフォルニアで開催されたアップルの新製品発表のストリーミングを見ていましたが、正直虚しく見えました。
そしてもう、アップルからiPhoneを越える製品が出てくることはないのではないか、と考えるようにもなりました。
現在のアップルの最大の失敗は、apple watchでもMac Bookでもapple musicでもなく、たいした製品をリリースするわけでもないのに、いつまでも大げさに振る舞う発表会にあるように思います。
画期的と思われる製品やサービスをリリースする際には、少しばかり大げさなプレゼンテーションも、時には大切で面白いのかもしれません。
しかし、マイナーアップデート同然の商品や競合の模倣商品を発表する際に、過度な演出は逆効果に思えます。
「大仰な発表会」に「説明くさいビデオ」を付け足し、「ダサいおっさん」が続々出てくるようなプレゼンテーションは、もう懲り懲りだというのが、正直な僕の心情なのです。
現実的に、どう考えてもiPad ProはマイクロソフトのSurfaceを後追いしているようにしか見えませんし、その上、OSを考えるとウインドウズ10にアップルは遥かに遅れを取っています。
OSXとiOSが融合しない限りアップルから画期的な商品はもう出ないのでしょうが、その間に他社も含めたデジタルディバイス全般が停滞し、産業として斜陽に向かうことになるように思います。
そう考えれば、2015年秋のアップルのイベントは、もう業界全般としてこれ以上大きく発展することがないお知らせのようなもので、今後どこかで急速にスマートフォン市場とタブレット市場(およびアプリ市場)が縮小に向かうターニングポイントとも言えるでしょう。
アップルの功罪は、実に大きいですね。
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