9月末の発売以来、大きな話題となっている透明なミルクティー。ネット上でも賛否は様々ですが、そもそもどんな技術がミルクティーを透明にすることを可能にしたのでしょうか。無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんが、その秘密を明らかにしています。
透明なミルクティーの中身
透明なレモンティーに引き続き透明なミルクティーが発売されましたね。
早速味見をしてみました。思いの他ミルクティー、透明なのにミルクティー。たしかに本物に比べると美味しいかと言われると微妙とは言えますが、透明でここまでミルクティーの味を再現してるのは、感心を通り越して、脱帽のレベルです。最近のサントリーは優秀な人材が入ったのでしょうか。
ともあれ成分表を見て、透明なミルクティーの秘密をみていきましょう。
糖類の中に乳糖があります。当然乳糖はミルク感を出すのに多少役に立ってると思いますが、ホエイ(乳清)を使うことでよりミルク感を出しているのだと思います。
乳清とは、いわばヨーグルトの上澄みのようなもので、酸味があるため、なんらかの緩衝剤で中和した上で、カフェインやミントエキスといった成分でミルクティーのような後口を錯覚させていると思われます。
香料も、通常流通している紅茶フレーバーは実際の紅茶から溶剤抽出するために有色であることが多いので、専用に調整した香料が用意されているとみて間違いないでしょう。
総評として、ここ最近のソフトドリンクの中ではダントツに素晴らしい日本の食品技術の英知を見た気がします。
しかしまぁ開発動機が、透明な飲み物でないと人前で飲めない…という実に駄目な日本らしいところが起点というのがなんともなんともなんですが(笑)。
image by: SUNTORY天然水公式HP