2.5次元という言葉、知っていますか。一般的なイメージでは、2次元がアニメなど、3次元が現実と捉えられていますよね。ということは2.5次元はアニメと現実の間となるわけですが、いまいちよくわからない……。
最近2.5次元と呼ばれているものには、アニメの舞台化、アニメキャラクターの声優が挙げられます。特にアニメ・漫画の舞台化のことを呼ぶようになっており、古くは宝塚の「ベルサイユのばら」、最近では「テニスの王子様」、「黒執事」、「ペルソナ3」、「弱虫ペダル」などが挙げられます。
一般的な2.5次元は、ミュージカルという演出を用いて原作の世界を舞台化していましたが、「NARUTO-ナルト-」の舞台『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』では、バトル漫画の迫力を最新技術であるプロジェクションマッピングを使用して再現。ただの舞台ではなく、体験型のアトラクションのような感動を得られるものへ進化しています。
観客動員も好調だったようで、国内千秋楽と同時に行ったライブ・ビューイングのチケットも即日完売。その人気は海外にも波及し、日本含め世界4カ国で公演。そして8月26日に発売されたDVDも、8月24日~30日のオリコンDVD総合ランキングで3位と好評を博しました。
一体なぜそこまで人気なのか? そこで今回は、舞台『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』を、キャストさんたちへのインタビューも交えて紹介していきます。
『NARUTO-ナルト-』とは?
週刊「少年ジャンプ」で、1999年43号から2014年50号まで連載された、岸本斉史原作の漫画。落ちこぼれの主人公・うずまきナルトが火影(国の忍者のトップ)になるまでの成長を描いたバトルアクション漫画。アニメ化、映画化とメディアミックスされ、最近ではナルトの子供が主人公の続編映画「BORUTO-NARUTO THE MOVIE-」も公開されています。その人気は日本に留まらず、フランスやアメリカなど、海外からもすさまじい人気を博しています。
ナルトの忍術をプロジェクションマッピングで演出!
そんな「NARUTO-ナルト-」を、アニメ、映画にとどまらず舞台化。気になるキャスティングは、主人公のうずまきナルト役に松岡広大、うちはサスケ役に佐藤流司、春野サクラ役に伊藤優衣、はたけカカシ役に君沢ユウキ、我愛羅(があら)役に須賀健太といった面々が熱演しています。
サスケ役の佐藤は、キャストの中でもイルカ役の市瀬秀和を絶賛。「2.5次元の舞台で何が一番大事かって、似ているかどうかだと思うのですが、一番似ていると思ったのはイルカ先生役の市瀬さんですね。声から顔から仕草から、何もかもがそっくりで、MVPだなって思います」と語っていました。
舞台では、「NARUTO」の魅力のひとつである「螺旋丸」や「千鳥」といった忍術をプロジェクションマッピングを活用し漫画さながらの迫力を表現。会場全体から空気が集まってくる演出の「螺旋丸」は、まるで風が吹いたかのような臨場感。さらに木に登る、敵と戦うといったシーンでは、トランポリンが用いられ、躍動感と疾走感を演出しています。
日本を飛び出しワールドツアーへ!海外ならではの苦労した点も
そしてなんと、日本公演にとどまらず、マカオ、マレーシア、シンガポールの3カ国でも公演が行われました。海外公演ではバス、飛行機、フェリーなどあらゆる交通手段を使って移動し、税関で舞台セットに厳しいチェックが入ったりといった苦労もあったとのこと。
ナルト役の松岡は、飲み物をはじめ体調管理に気を使っていたそうです。また、エアリアル(布を用いた空中パフォーマンス)が会場の都合上、各国公演で違っていたと、サスケ役の佐藤はコメントしてくれました。
そして日本と海外の違いを聞いたところ、各国ごとに興味深い特徴があったとのこと。
ナルト役・松岡「マレーシアの方々は、家族で来ていて、エンターテイメントにとても積極的な印象を受けました。かなり熱狂的に迎えて頂き、とても驚きました。海外での公演は、笑えるところは笑って、シリアスなところはしっかりシリアスに観られていて、遠慮がなかったと感じました。リアクションを生で受けとれるのが舞台のいいところだと思うので、それを海外では大きく感じられて嬉しかったです」
サクラ役・伊藤「シンガポールは物語をしっかり見てくださる空気でした」
カカシ役・君沢「『NARUTO』という作品の認識の高さ、愛がどの国も大きかったです」
海外で人気の高い「NARUTO」という作品だからこそ、お客さんの期待度も高かったでしょう。映像とは違う、舞台だからこそ肌で感じられる差を話してくれました。
キャストが語るDVDの見どころは?
ナルト役・松岡「公演中は当たり前のようにセリフを発していましたが、お客さんとして改めて見ると大切な言葉だったり、胸に刺さる言葉がたくさんありました」
カカシ役・君沢「舞台で全体を見るのとは違って、舞台のポイントごとにカメラがよってくれるので、こんな表情をしてたんだ、など舞台とは違った視点で見られます」
この他にも、キャスト視点からの映像の迫力や、メイキング映像、座談会といったDVDの特典についても言及。そして最後に、舞台を振り返って以下のように語ってくれました。
サスケ役・佐藤「この作品は間違いなく俺の人生を変えてくれた作品だし、この作品をやった段階で、自分ができることを全部やった結果がこのDVDに入っているので、『NARUTO』を知っている方はもちろんですが、誰が見ても面白い作品だと思います」
ナルト役・松岡「言葉の強さ、人間の愛、友情、絆だったりとテーマが深いので、ぜひ映像でも見ていただけたらと思います」
以上のようにメッセージを話してくれました。
漫画、アニメとは違う、人間が演じている舞台だからこそ感じられる熱量や迫力があふれている『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』。プロジェクションマッピングやエアリアルなど、2.5次元という新たなジャンルを堪能できる作品に仕上がっています。是非一度御覧ください。
●information
『ライブ・スペクタクルNARUTO-ナルト-』
公式サイトhttp://naruto-stage.jp/
価格:税別8000円(初回仕様限定)、税別8500円(アニメイト限定版)
発売元:株式会社アニプレックス
仕様:初回仕様限定DVD2枚組(本編ディスク約145分+特典ディスク約147分)
収録内容: [本編ディスク] 国内千秋楽公演の模様を収録
[特典映像ディスク] 国内千秋楽カーテンコール/メイキング映像/撮りおろし座談会/ワールドツアードキュメントを収録
特典内容:
◇初回仕様/アニメイト限定版共通・三方背ケース・デジジャケット仕様・48P特製ブックレット
◇アニメイト限定版特典・アニメイト限定版DVD(収録内容:猪鹿蝶の突撃インタビュー/バックステージ[約52分])
©岸本斉史 スコット/集英社 ©ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2015