アニメ製作現場の窮状が改善されない「クールジャパン」の現実

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米・ロサンゼルスで映画を学んだ執筆陣が、映画業界にまつわるあらゆる事象について論じていくメルマガ『Ministry of Film – ゼロからのスタジオシステム -』。最新号では“日本のテレビアニメーション産業の未来”をテーマに、日本のアニメ業界が現状抱える問題点を洗い出しています。

アニメ産業はピーク時に迫る好景気

みなさん、前回(MOFi vol.076号)出しておいた宿題はこなしましたか? もう数週間経過しているので、読み尽くしていることでしょう。何はともあれ、現代日本のアニメ産業の話題を大雑把に理解できたでしょうか。ここに何件か新しいリンクを追加しつつ、トピックを整理します。

前回、日本動画協会(AJA)の年次調査資料のリンクを添付し損ねました。完全版は有料ですが、概況は無料でダウンロードできます。(*1)2014年度版をご参照ください。2ページ目「再びピークに向かいはじめた日本のアニメ産業」および4ページ目「日本のアニメ産業・市場の動向(2014年版)」には以下の点が記されています。

1. TVアニメ制作数、タイトル数および制作分数の両面で上昇傾向が続く

2. 劇場アニメ興収総額は史上2位で好調

3. パッケージ売上が世情に逆らい前年度を上回る伸び

4. ライブエンタテイメント・ビジネスが13年に急伸し、産業収益へ新たに貢献し始めた

2013年は、制作分数やタイトル数にして2006年頃の「バブル期」とほぼ同数にまで迫りました。世界的なコンテンツ市場では確実に落ち込む傾向にあるパッケージ販売でも、国内のアニメ市場だけは驚異的な売上を記録。新規ビジネスの分野でも収益を見込めるようになり、レポートでは産業への前向きな見通しが強調されています。

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