安倍首相は9月28日召集の臨時国会の冒頭で、衆院解散に踏み切るとみられています。北朝鮮問題で国内が大揺れの中で断行されるとみられる解散は「森友・加計疑惑」の追求を回避するための自己保身ではないか、と野党などから疑問視する声も。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者で、元全国紙の社会部記者だった新 恭さんは、今回の解散発言について安倍首相が「『「禊(みそぎ)は済ませた』と開き直る腹積もりだ」と断言。関西テレビが独自に得た、森友問題関連の音声データの内容をもとに、解散総選挙でも「安倍首相による権力の私物化」の事実を風化させてはならないと警鐘を鳴らしています。
森友・国有地値下げの真相を物語る新音声データ
よくもまぁ、下心の見え透いた策をとれるものだ。安倍首相は臨時国会の冒頭で衆議院を解散するつもりらしい。
あれだけ、北朝鮮ミサイルの脅威を煽っておきながら、そのさなかに、国会を閉じてしまうのだ。
森友、加計疑惑の追及が再びはじまり、その影響で10月の三選挙区衆院補選に敗北すれば、安倍首相は退陣に追い込まれかねない。そんな事態を避けるため、野党陣営の臨戦態勢が整わない今のうちに解散してしまえ、ということだろう。
森友、加計疑惑を追及するメインステージを解散によって失うとなれば、新聞、テレビなど大メディアに期待したいところだが、それも、選挙が近づくと過剰なまでに報道の自主規制がはじまる。
ならば司法はどうか。これもほとんど、やる気が感じられない。
たとえば、森友学園事件について、大阪地検特捜部は、籠池理事長夫妻の犯罪に矮小化し、国有地払い下げをめぐる財務省の不正疑惑には目をつぶろうとしている。財務省や近畿財務局にガサ入れさえしないのが、そのなによりの証拠だ。
だが、コトの本質は、いうまでもなく、安倍首相夫人が名誉校長をつとめていた小学校の建設のために、財務省が国有地を不当に安い価格で払い下げたかどうかである。
財務省は8億1900万円もの値引きについて、地下埋設物や廃棄物の撤去費用がそれだけかかるからだと説明してきたが、実は森友学園側の要望に沿って、ほとんどタダ同然になるよう、金額をつくりあげたことが、わかってきた。