欧州最高のシンクタンクで講演し、ヨーロッパ各国トップ級の地政学者らと忌憚のない意見を交わす機会を得た元参院議員の田村耕太郎さんですが、日本の存在感の低下を痛切に感じたといいます。メルマガ『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』にはショッキングな内容が記されています。
日本のプレゼンス低下を痛切に感じる
まずいくらいだった。これが外交辞令だらけのG7やG20やAPECだったら、援助欲しさに持ち上げてもらえただろう。しかし、冷徹な地政学研修だったので、そうはいかない。 世界的なスポットが当たっているのは2つの地域。
- 北米
そして
- アジア
である。しかし、欧州から見たアジアの機会は
- 中国
- インド
- ASEAN
である。これが投資家なら「アベノミクスで今こそ日本株」となるが、地政学者・地経学者となれば、人口減少・高齢化の日本は完全にショートされていた。日本の高齢化と人口減少については欧州でも結構正確なプロジェクションが出ていて、それなのにいまだに労働市場を外国人に開放しない様子に「将来かなり厳しいね」と言われていた。そして日本国債についても、ギリシアとは違うが、いかに日本の資金力をもってしても、人口構成をみれば、もうすでに破壊的にサステイナブルではないことが見切られていた。
断っておくが日本への尊敬と愛情は欧州では本当に深い。高名な地政学者のスマホの待ち受けが日本のアニメだったりする。可愛い! しかし、自国や欧州の未来に厳しい彼らは日本には正確な範囲で厳しい。
そして日本のソフトパワーや観光資源への憧憬はあるが、アジアのオポチュニティーの中には日本は入っていない。そして外交政策も、軍事をアメリカに依存し、武器は開発援助しかなく、アメリカに頼らない外交はできないと見切られていて研究の対象にもなっていない。
こんなに日本が存在感がないとは正直びっくりした。「そんな日本からプロフェッサー田村のような派手な人が講演にきたギャップが受けていた」と主催者から言われた。そんなこといわれても……。
今晩から勉強会に移るが勉強会には高名な投資家も来ていて彼らの日本株への評価は高い。でもそれは日本を買っていることとは別なのだ。
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『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』より一部抜粋
著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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