メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストの吉田武さんが、現役の警察官Tさんへのインタビューで「自転車の取り締まり」に関する裏話を暴露する当シリーズ。「パーキングメーター内にある自転車に警察が手を出せない理由」について語られた前回に続き、今回は意外と知られていない駐車監視員の日常や、レッカー移動で取り締まるのを止めた裏事情など、ヤバイ話が続々登場します。吉田さんが駐車監視員を尾行してみると……。
軽車両の自転車はどこまで車両や歩行者と共存できるのか? その10
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吉田:後ろから気づかれないよう尾行して、駐車監視員は2人でペア行動取らなきゃいけないわけじゃないですか。彼らの会話も聞いたりとかすると、色々分かってきたりします。取り締まりの法則とか、暇している話とかね。
Tさん:駐車監視員の方たちを尾行して何になるんですか?(笑)
吉田:情報ですよ。本来ならば彼らも”みなされている形の公務員”ですから、国民への情報開示は当然なんですけども、話を聞いても意外に教えてくれないんですね。
Tさん:例えば?
吉田:彼らはペアで行動する際に一定のルートを巡回するわけで、そのルートを知っておくと駐車した際にどのぐらいの時間でここに戻ってくるのだとか逆算できるんですね。
Tさん:吉田さん賢い!
吉田:いえいえ、僕は学がないバカですから、こういったアクティブな行動で、自分自身の目と耳で知りたいだけなんです。
最近はクルマやバイクといった車両に対しての放置駐車に対する差別がなくなっていますが、以前は暴力団関係者が乗っていると思われる車両や右翼系の方が乗るワゴン車などに対して、お互いパートナー同士が言葉も交わさず完全スルーしたりしてました。まぁ分かります。放置駐車のステッカーなんか貼ってしまった暁には面倒なことになるでしょうし、そんな彼らの気持ちは十分に理解してました。が、バイクに対しては格下に見ているようで遠慮無用にステッカーをバシバシ貼っていくさまを尾行した際に目の当たりにしてから、どうにも解せない部分が出てきたんですね。
Tさん:それは我々警察官も交通取り締まりの際は原付バイクが一番違反しやすい車両ですから、ノルマが必要な時は徹底して捕まえたりしてますので、何か似ている部分もありますね(苦笑)。
吉田:クルマは持ち主がどんな人か分からないからっていうのもあるとは思いますが、バイカーになると基本1人で乗っているし、何かトラブルが発生したとしても適応力はペアで動いている駐車監視員の方が高いんですね。1対2になるわけですし。