日本人の平均寿命の高さが世界中から注目を浴びている昨今。長寿である理由はわかっていないそうですが、慶応大が実施した大規模調査にて、体内の炎症とDNAが密接に関係していると解明されました。メルマガ『週刊 サイエンスジャーナル』より、全貌をご紹介いたします!
日本人の平均寿命過去最高!長寿の理由は?炎症、テロメアの密接な関係解明
平成26年の日本人の平均寿命が男女とも過去最高となった。前年に初めて80歳を超えた男性が80.5歳とさらに伸ばし、香港(81.17歳)、アイスランド(80.8歳)に続き、スイスなどと並ぶ世界3位。女性は86.83歳(前年86.61歳)で3年連続で長寿世界一になった。厚生労働省の調査で分かった。
なぜ日本人は長寿なのだろうか?長寿なのは細胞の老化を防ぐしくみが働いているからだと考えられる。
細胞の老化は、体内の炎症が関係している。炎症は通常、けがをしたり、病原体が体に入ったりした時などに起きる防衛反応だが、高齢者では加齢に伴い、症状がなくても血液中の炎症物質の数値が高くなる傾向がある。なぜ高くなるのかは不明だ。
健康で長生きする人は、炎症の程度を示す血液中の物質の数値が低く、この数値が低いほど認知機能や生活の自立度も高いことが、100歳以上の百寿者684人などを対象とした、慶応大などの大規模調査でわかった。
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