日本ではほとんど語られない、歯周病とがんの恐ろしい関係

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「忙しいし虫歯もないからいいか」と、歯のクリーニングを後回しにしていませんか?メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住の医学博士・しんコロさんは、「日本人は歯周病の人が多いために歯周病に気付いても歯科医が何も言わないこともある」と前置きした上で、「歯周病患者はそうでない人に比べ、がんになるリスクが高い」という驚きの研究結果を紹介しています。

りんごがかじれないだと?

かなり前の話で記憶があやふやなのですが、シアトルのあるワシントン州はりんごが採れる産地なので、丸ごとのりんごをかじるような写真かツイートをツイッターに載せたことがあります。その時に返ってきたみなさんの反応がとても興味深いものでした。

「おいしそうなりんご!」「皮を剥かないでそのまま?」「日本のより小ぶりですね!」「どんな味がしますか?」という反応が返ってくるだろうと思っていました。そこから、日本とワシントンのりんごの話題でもしようかと思っていました。ところが、返ってきた反応は予想に反して「かじるなんて無理」「血が出ます」「歯茎が痛いです」というものが多数ありました。僕は、「どんだけ歯周病やねん!」とつっこみたくなりましたが、もう皆さんの歯茎の健康が気になってりんごの話題どころではなくなりました。

ということで、今日は歯茎の話題を少し。歯茎が悪いとがんになるリスクが高まるという研究の紹介です。

「なーんだ、私は関係ないし」と思った方が8割だと思います。しかし、そう思った方の中の8割が歯周病です。「私は歯周病ではない」と思っている方も、実はほとんどが歯周病です。「そんないいがかりをつけてくれるな!」と思われるかもしれませんが、いいがかりではなくて、びっくりするくらい事実です。厚生労働省が歯科疾患実態調査を行っていてデータをウェブサイトで公表しています。最新のものが平成23年と古いのですが、30代の8割、そして40代では9割近くがなんらかの形で歯周病があるという結果だったのです。上記のデータに基づいて見やすいグラフもライオンのウェブサイトにありました。

かくいう僕も、歯周病ではないと思っていましたが、10年ほど前にシアトルで歯科にかかった時に「歯茎が少し腫れている」と言われました。僕は歯磨きは怠らないし、普段食事をしても歯磨きをしても歯茎から出血することもなかったので、全く自覚がありませんでした。しかし、歯槽膿漏とまではいかなくとも、明らかに炎症があり、れっきとした歯周病だったのです。気付かぬうちにそうなっていたことに僕はびっくりしました。そう、歯周病は自分では気づきにくく歯科医に診てもらって初めてわかることが多いのです。しかも、日本人は歯周病があまりに多いので歯科医が特に何も言わないこともあります。デンタルケアに関してはアメリカの方が日本よりも明らかに積極的で、日本では指摘されなかったことをアメリカに来て歯科医に色々されたものです。とにもかくにも、自分が歯周病だったと知って以来、デンタルケアに関してはかなり神経を使うようになり、ここ10年ほどは一切歯周病もなく過ごしています。

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