リーマン前にそっくり。米の「自動車ローン」がいよいよ危機に直面
いまアメリカで「オートローン」が問題視されていることをご存知でしょうか? メルマガ『クルマの心』の著者で日本のクルマ産業を知り尽した自動車ジャーナリストの伏木悦郎さんは、米の経済的信用度の低い層(サブプライム)へのオートリースが普及することで日本車メーカーにも結果として悪影響を与える可能性を指摘。リーマンショックの再来を懸念しています。
住宅ローンの次はオートローン。リーマンショックの再来が迫っている
現在アメリカの自動車市場は依然として旺盛な購買意欲に支えられていて、とくに原油安にともなうガソリン価格の安値安定状況が続いており、ピックアップトラックやSUVなど比較的大型のモデルがシェアを伸ばしている。
いっぽうで、リーマンショックの引き金となった不動産のサブプライムローン(経済的信用度の低い層を対象としたアメリカの住宅ローン)にも似た状況が自動車販売にも影を落としている。
リーマンショックから回復基調となった2011年以降は、特にサブプライムを含む低信用層への与信が活発化。加えて金利の低下とガソリン価格の安定もあり、サブプライムローンの60日以上の延滞率がリーマンショック時のピーク(2009年1月:5.04%)を越えて5.6%まで上昇しているという。この延滞率の上昇が危険因子とされる。

Fitch
Mortgage(モーゲージ=住宅ローン)からAutoloan(オートローン)へ。2015年以降、オートリースの比率が30%に迫り、その償還の関係から中古車価格が下落。その割安感に消費が向かい新車販売の不振が予想されているという。
見え隠れする「強欲なアメリカ」
アメリカクルマの心伏木悦郎日本ヤバい自動車産業
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