仰々しい題名ですが、東芝には警察OBから構成される「扇会」という社員を監視する組織があり、そこがどの社員が「左翼系か」を探り出し、経営陣に報告する、という役割を果たしていた、という話です。
私が1年間だけ在籍した NTT にも同じような仕組みがありました。NTT の場合は、経営陣と仲の良い社会党(今の社民党)系の労働組合があり、そこが毎年、社員から「社会党への寄付金」を集めていたのですが、それが「共産党員かどうか」の踏み絵になる、という仕組みになっていました。つまり、社会党への寄付を拒否した社員の名前のリストが、労働組合から経営陣に提供されていたのです。
そんな仕組みがあることを知らずに、「私はどの党も支持しないから」と社会党への寄付を拒否した私は、(経営側の人間である)室長から「君をブラックリストには入れたくないから、素直に社会党へ寄付してくれ」と頼まれたという貴重な経験をすることが出来ました。
image by: 360b / Shutterstock.com