「東芝は米国にハメられた。原発買収で起きていた不可解なやり口」で、東芝がアメリカ側の官民が結託して行った隠蔽工作を見抜けず、約7000億円もの損失を計上するに至ったという衝撃事実を明かしたメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者で元国税調査官の大村さん。今回は、タカタの「エアバッグ大量リコール問題」でのアメリカ側の不穏な動きに言及しています。
「タカタ」もアメリカにはめられた!
前回、東芝がアメリカにはめられたというようなお話をしましたが、実は、昨今、世間を騒がせている、タカタの破たんも、東芝と似たような経緯があるのです。
タカタは、アメリカの大量リコール問題で、現在、経営危機に陥っており、ニュースでもたびたび取り上げられているので、ご存知の方も多いでしょう。
タカタという会社は、東芝やトヨタほどの知名度はありませんが、エアバックやチャイルドシートで、世界シェアの20%程度を占め、自動車安全装置の分野では世界のトップ企業であり、日本を代表する製造輸出企業の一つです。
このタカタは、2017年6月現在、約1兆7千億円の負債を抱え、経営破たんに陥っています。負債総額1兆7千億円というのは、戦後最悪です。負債額だけで見るならば、東芝よりも大きな「事件」なのです。
そして、この負債総額のほぼ100%は、アメリカのリコール処理から来ているのです。
経営状況は良好だったにもかかわらず、アメリカの大量リコールによって、倒産同然の状況に追い込まれたのです。