ドンキが買収失敗。オリジン弁当が利益拡大で助けたイオンに恩返し

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2005年、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」は、次世代型コンビニエンスストアの事業化を計画。オリジン東秀(以下、オリジン)の株式を取得し、買収を狙っていました。しかし、それを拒んだオリジンに呼ばれたのが「イオン」です。今回の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、イオン傘下に入ったオリジンが急成長した秘密を探ります。

ドンキが逃した「オリジン東秀」の利益が急拡大中

イオン傘下のオリジン東秀利益を大きく拡大させています。

オリジン東秀は、弁当・惣菜店「オリジン弁当」、働く女性をターゲットにした弁当・惣菜店「キッチンオリジン」、中華料理店「中華東秀」など500店以上を運営する企業です。

弁当や惣菜といった中食の市場は拡大しています。日本惣菜協会によると、2016年の中食市場は9.8兆円で前年比2.7%増加しています。今後も拡大が見込まれるため、弁当・惣菜店は有望業種といえます。

オリジン東秀の有望性を示す逸話があります。かつて、成長が見込めるオリジン東秀を手に入れようと、イオンとドン・キホーテがTOB(株式公開買い付け)合戦を繰り広げました。

ドン・キホーテは2005年8月にオリジン東秀の株式を創業者の遺族から取得しています。ドン・キホーテはオリジン東秀を傘下に収め、業務提携により「次世代コンビニエンスストア」を確立しようと考えました。ドン・キホーテが考えた次世代コンビニとは、売り場面積が一般的なコンビニの二三倍でドン・キホーテ並みの安さで弁当などの商品を販売するというものです。台頭していた既存のコンビニに対抗し、拡大している中食市場の覇者になることを狙ったのです。

ところが、両社の業務提携は思うように進みませんでした。そこでドン・キホーテはオリジン東秀に対して敵対的TOBを仕掛け、傘下に収めることで次世代コンビニ構想を一気に推し進めようと考えたのです。

しかし、オリジン東秀はドン・キホーテの傘下に入ることを拒みました。オリジン東秀はイオンと交渉し、イオンがホワイトナイト(友好的な立場で買収を試みる第三者)になることを要請しました。

そして、イオンとドン・キホーテによるTOB合戦の末、イオンがオリジン東秀を526億円で買収することで決着しました。ドン・キホーテは保有していたオリジン東秀の株式をイオンに売却しています。オリジン東秀は2006年3月にイオンの連結子会社(現在はイオン傘下のイオンリテールの子会社)となっています。

イオンもオリジン東秀を買収することで中食を強化する狙いがありました。ただ、買収後の2008年にリーマンショックが発生したことで、当初の目論見に狂いが生じています。

オリジン東秀はその頃、「売上高1000億円、店舗数1000店」を目指していました。しかし、2008年のリーマンショック以降、オリジン東秀の売上高と店舗数は伸び悩んでいます。売上高は概ね450~500億円、店舗数は概ね550~600店の間で推移している状況で成長しているとは言えない状況です。「売上高1000億円店舗数1000店には遠く及びません

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