メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストの吉田武さんが、現役の警察官Tさんへのインタビューで「自転車の取り締まり」に関する裏話を暴露する当シリーズ。今回は、自転車に乗る人はもちろん乗らない人も必見の「自転車で違反キップを切られると最悪の場合、検挙もありうる」という恐ろしい現実を紹介しています。
軽車両の自転車はどこまで車両や歩行者と共存できるのか? その4
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吉田:実際に自転車で違反キップ切られた場合はどうなるんですか?
Tさん:私自身は自転車に対して違反キップを切ったことはないですが、きっといつか切ることになるとは思います(笑)。署によっては自転車の取り締まりを強化しているところもありますので、パトカーで自転車を追いかけたりも普通にやっているんですね。結局は大きなペナルティーを受けないと、無謀運転する自転車が減りませんから。
吉田:白バイ隊員がそういう無謀運転をするサイクリストを取り締まる方が効率良いと思いますけど。
Tさん:パトカーだと警察官は2人1組での行動がメインですので、助手席の警察官が途中でパトカーから降りて走って追いかけて自転車を捕まえることもあります。もちろんクルマで進みづらい場所や歩道とかに特定されますが。白バイ隊員ですと機動力高いので自転車の取り締まりはしやすいのですが、白バイの存在価値はクルマやバイクに対して交通違反を未然に防ぐ……と言いますか、違反させないよう安全運転に努めてもらう感じのけん制的なパトロールをしてますので、自転車の違反までは積極的に行ないませんね。白バイは国道などの主要幹線道路での活動が主ですし。
吉田:白バイの存在は……けん制というか、監視というか、交通違反したら追いかけられて捕まってしまう意識が高いので、違反するのを隠れて待機している白バイ隊員をどうにかして欲しいですけどね。本来は交通違反を抑止するのが彼らの役目のはずなのに、違反しやすいポイントで待ち伏せして後ろからサイレン鳴らして追いかけるとか、あれは僕的に”なし”だと思っているんですね。そんなことしている暇があったら、日常で交通違反をすることがクルマやバイクより遥かに多いサイクリストを取り締まるべきかと思うんですがどうでしょうか?
Tさん:自転車も軽車両ですから交通違反を白バイ隊員が取り締まることは重要かと思いますが、世間からやり過ぎと思われる部分も懸念されます。白バイ隊員もそこまで多いわけではないので難しいですねぇ……。
吉田:自転車のような軽車両の交通違反を中心に取り締まる、125ccのスクーターを使用した白バイ隊員なんかが存在していたら良いと思うんですけど、難しいんですかね?
Tさん:それは素晴らしいアイデアだと思います。ですが、白バイ隊員の育成にも時間かかりますし、なかなか上手くいくとは思えないですね。もっと世論が声をあげてくだされば、上層部に届くと思いますが……吉田さんのアイデアは間違ってない気がします。750ccの白バイ隊員よりもカジュアルにパトロールできるでしょうから、自転車の取り締まりを強化するのにはうってつけです(笑)。